瓔珞(えいらく)66話 二重の暗殺劇 目次 [ あらすじ ] [ 感想 ] [ 関連記事 ] あらすじ 乾隆帝は早々に承乾宮を後にしました。珍児(ちんじ)は令貴妃(れいきひ)の三人の子どもたちのしつけの話を皇后が持ち出したことは失敗だったと言いました。 「私は皇宮の子どもたちの母よ。言いたくなくても将来何かあれば陛下から責められるのは私なの。」 嫻皇后(かんこうごう)は珍児(ちんじ)に言いました。 夜の延禧宮(えんききゅう)。 令貴妃(れいきひ)魏瓔珞(ぎえいらく)は乾隆帝と一緒に寝ていました。 「陛下ぁ。動かないでください。眠れません。」 「使えるべきは朕か?それともそなたか?」 「その話は何度も聞きいて聞き飽きました。」 「皇后から小言を言われた。そなただけでなく子どもたちも奔放に育ち後宮の子どもたちから羨まれている。そなたのような奇抜な母がいれば好きにできるのにと。」 「そう。」 「謝らぬのか?」 「皇后様は私が子どもたちを放任しているせいで子どもたちが礼儀知らずとおっしゃっているのですか?」 「そなたは分かっているのになぜ改めぬ。」 乾隆帝は起き上がりました。 「昭華も昭瑜(しょうゆ)も陛下のお子ですよ?陛下の駒として異民族や臣下と政略結婚する運命です。今くらい好きにさせてやってください。間違ってますか?」 「よかろう。朕の娘はよいとして永琰(えいえん)はどうだ。皇子は卯の刻から申の刻まで文武を学ぶのが清朝の習わしだ。永琰(えいえん)は朕の息子だ。なぜ学びをおろそかにさせる。」 「私の息子でもありますから好きなように育てます。」 「生意気なやつめ。」 乾隆帝が言うと瓔珞(えいらく)も布団から起き上がって皇帝を蹴って出て行こうとしました。 「待て。ここにいろ。」 「私の布団よ!」 瓔珞(えいらく)は布団を取りました。 瓔珞(えいらく)は乾隆帝ともみ合いになり床にひっくり返りました。 「ざまあ見ろ。身勝手に振舞った天罰だ。」 乾隆帝は瓔珞(えいらく)を指さし言いました。 「ご自分の腰はどうなのですか?腰痛はその年で子どものように振舞った天罰です。」 「子どもなのはどっちだ?あ?寝床から逃げ出すなど他の者ならとっくに首を斬っている。」 「お好きにどうぞ。あとで私が恋しくなるでしょうけどね。でもその時になっては遅いですよ。