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瓔珞(えいらく)63話 あらすじと感想 水桶の中身 傅恒(ふこう)と駆け落ちする話が乾隆帝に伝わり...中国ドラ

瓔珞(えいらく)63話 水桶の中身

瓔珞(えいらく)63話 のあらすじと感想

目次

あらすじ

承乾宮。袁春望(えんしゅんぼう)はいつも通り嫻皇后(かんこうごう)に挨拶しました。珍児(ちんじ)は首を横に振って袁春望に合図を送りました。袁春望は土下座すると今度は自分を罰するように求めました。

嫻皇后は鸚鵡(オウム)を愛撫しながら処罰を請う理由を袁春望に尋ねました。

袁春望は皇后の憂いを取り除くために勝手に令妃(れいひ)を罰していることを謝罪しました。

嫻皇后は侍医を懐柔して診療記録を偽造すれば令妃(れいひ)の死を病死に捏造することは容易だったが袁春望が先手を打ったので逆に弱みを握られたと言いました。嫻皇后は令妃の死に自分の関与を疑わせるようなやり方をせずに、二つの物を用意して養心殿に持っていくように袁春望に命じました。


過去。

瓔珞(えいらく)が養心殿で乾隆帝と蘭の花を描いている場面。


養心殿。

乾隆帝はかつて瓔珞(えいらく)と共に描いた蘭の花を眺めていました。李玉(りぎょく)が来ると乾隆帝はその絵をひそかに机の引き出しに隠しました。

李玉(りぎょく)は延禧宮(えんききゅう)が侍医を呼んだと報告しました。

乾隆帝は気にしていない振りを装いました。

李玉(りぎょく)は令妃(れいひ)は長年不摂生な菜食をしていたので胃に問題があるが粥を食べれば回復すると言いました。

「悪人ほど強運だ。死にはせぬ。」

乾隆帝は言いました。

李玉(りぎょく)は月露知音(げつろちいん)という名の琴が円明園に置かれたままなので延禧宮(えんききゅう)に届けてよいか皇帝に尋ねました。

乾隆帝は部屋に持ってくるよう命じました。

しばらくして李玉(りぎょく)が琴を持って来ました。

乾隆帝は琴を燃やすよう命じました。

李玉(りぎょく)は徳勝に楽器を押し付けました。


麗景軒。

遺珠は「延禧宮が養心殿へ届ける物を奪ってきました」と言って品物を順嬪(じゅんひん)に見せました。遺珠は令妃(れいひ)が今でも皇帝の歓心を買おうとしているので今のうちに完全に倒さねばならないと言いました。

「私が瓔珞(えいらく)を殺すと皆が思っている。お前もそうなの?」

順嬪は言いました。

延禧宮(えんききゅう)。

瓔珞(えいらく)は布団の中で咳込んでいました。瓔珞は土瓶に入れられた最後の水を苦しそうに飲み干しました。目の前に茶碗が差し出されました。瓔珞は茶を何の疑いもなく飲み干しました。瓔珞の目の前に順嬪(じゅんひん)が立っていました。

「私を恨んでいる?すべてはあなたを助けるためなのよ。」

「私をこんなに弱らせておいて何しに来たの?」

「死地に陥れて後生く。追い詰められないとこの暮らしを捨てないでしょ?」

「何を言っているの?」

「瓔珞。聞いてちょうだい。紫禁城で得られる富や名声ははかないものよ。陛下の寵愛も無いのに強気のあなたがいつまで生きていられると思うの?」

「沈璧(ちんへき)。どれがあなたの本当の姿なの?」

「言ったでしょ。助けてあげてるの。あなたのような善人は大切にされるべきよ。」

「だから?」

「私の厚意がわからないの?いいえ。正しくは恩返しよ。」

「誰への?」

「傅恒(ふこう)大人(ターレン)よ。あの方がいなければ私は崖から落ちて死んでいたわ。あの方のように若くて端正なお顔立ちの殿方はおなごにとっては理想の夫。ずっと恩返しがしたかったけど機会がなかったの。あの方の想い人があなたと気が付く前はね。」

「終わったことよ。」

「あの方は今でもあなたを愛しているわ。」

「明玉(めいぎょく)を死なせたのも恩返しのつもりだったの?反吐が出るわ!」

「何度も言ったわ。明玉は自害したと。恩義に縛られてないで自分のことを優先させたら?」

「自分を優先?」

「誰かがあなたの振りをして梔子の花を陛下に届けさせようとしていたわ。心当りはないの?」

「皇后。」

「そう。皇后よ。すぐに逃げないとここで死ぬことになるわよ。」

「簡単に逃げられると思うの?」

「協力するわ。これからはどこへでも好きなところへ行けばいい。傅恒(ふこう)大人とずっと一緒にいられるわ。私は物のように陛下に献上され家族も失ってしまった。死ぬまで捕らわれの身よ。永遠にここから出られない。でもあなたは違う。まだ機会がある。瓔珞。伏魔殿に飲み込まれる前に、ここから逃げて。遠くへ。戻って来てはダメ。」

順嬪(じゅんひん)が言うと瓔珞(えいらく)は涙を流しました。順嬪も泣きました。

通路。

富察傅恒(フチャふこう)は順嬪(じゅんひん)の言葉を思い出していました。順嬪は欲しいものを追い求めて一日でも思いのままにいきればよいと傅恒(ふこう)を誘惑していました。


養心殿。

気絶していた海蘭察(ハイランチャ)は李玉(りぎょく)に水を浴びせられて目を覚ましました。

海蘭察は我に返ると慌てて皇帝に挨拶しました。

乾隆知恵は焼け酒を飲む海蘭察に注意しました。

海蘭察は家に帰っても赤い髪飾りが目に留まってつらいと言いました。

「私は武人の道しか知りません。こんな痛みははじめてです。」

「海蘭察。そなたは男だ。その苦しみを忘れるな。御前侍衛(ごぜんしえい)がお前のように眠りほうけては朕は瞬く間に殺されてしまう。」

乾隆帝は言いました。

海蘭察は土下座して謝りました。

「朕はそちをここに留めておけぬ。誓いを覚えているか?そちは戦場で大活躍して手柄を立てたいと申していたな。霍蘭部(フォランぶ)が北部で蜂起した。おそらく残党だろう。お前は行くか?」

「私めは陛下のためなら死をも覚悟しております。」

海蘭察は受け入れました。

「どのようなおなごもそちの豪気を奪う権利はない。明玉が知ったらからかわれるぞ。」

乾隆帝は海蘭を立たせてやると励ましました。


傅恒(ふこう)は皇帝への目通りを願いました。

徳勝は海蘭察(ハイランチャ)と面談中だと答えました。

傅恒(ふこう)の目の前に順嬪(じゅんひん)が現れました。

順嬪(じゅんひん)も皇帝への目通りを徳勝に求めました。

「どうやら理性が勝ったようですね。瓔珞(えいらく)を死に追いやっても陛下に忠義を尽くす。」

順嬪(じゅんひん)は瓔珞(えいらく)の耳飾りを摘まんで見せました。

傅恒(ふこう)は動揺しました。

「(令妃は)承諾したわ。傅恒(ふこう)大人。一度目は裏切った。二度目も裏切るつもり?」

順嬪(じゅんひん)は何かを示唆しました。

徳勝が戻って来て順嬪(じゅんひん)に麗景軒で待つように言いました。

傅恒(ふこう)は養心殿の中に入りました。

遺珠は傅恒(ふこう)に告げ口されないか心配しました。

「彼は富貴栄華を持っているのに心の中はいつも陰鬱よ。求める女が手に入るとなれば大人(たいじん)は冷静でいられるはずがないわ。自制しようとも、欲望は抑えられないわ。」

順嬪(じゅんひん)は呟きました。


皇帝の部屋。

傅恒(ふこう)は霍蘭部(フォランぶ)との戦について報告しようとしました。

乾隆帝は既に聞いていると答えました。

海蘭察(ハイランチャ)は傅恒(ふこう)に自分も出征することになったと話しました。

乾隆帝は他に用が無いなら下がるように言いました。

傅恒(ふこう)は部屋から出て行きました。

乾隆帝は海蘭察(ハイランチャ)から傅恒(ふこう)の記憶力がとてもすぐれていると聞きました。

「記憶力がよい傅恒(ふこう)が昨夜の奏上を知らぬと思うか?」

乾隆帝は言いました。

「傅恒(ふこう)はまじめなので結果を知りたかっただけでは?」

海蘭察(ハイランチャ)はどのようにでも解釈できるあいまいさを残して答えました。

乾隆帝は海蘭察に密命を下しました。

延禧宮(えんききゅう)。

「順嬪(じゅんひん)様から看病を怠るなと命じられた。私がお前なら餓死も報いと諦める。犬のように生きても無意味だ。」

小全子(しょうぜんし)は大きな声で言いつつも、辺りを伺いながら水のように薄い粥を寝台の横に置いて瓔珞(えいらく)の枕の下に包みを入れて立ち去りました。

瓔珞(えいらく)が包みを開くと手巾の中に食べ物が入っていました。


承乾宮。

珍児(ちんじ)は令妃(れいひ)がまだ生きていると嫻皇后(かんこうごう)に不満そうに述べました。

嫻皇后(かんこうごう)は令妃はその気になったらいつでも人の手を借りることができると言いました。

袁春望(えんしゅんぼう)は皇后に何かを耳打ちしました。


承乾宮の庭。

袁春望(えんしゅんぼう)が珍児(ちんじ)を待っていました。

「助けてもらった礼を言ってなかったな。」

「皇后様にお仕えする者同士、助け合うのは当然よ。それに目的もなく助けないわ。」

「何が望みだ?」

「袁総管。私は今年二十九歳になるの。」

珍児(ちんじ)は恥ずかしそうに言いました。

「皇后様が解放してくれないのか?」

袁春望(えんしゅんぼう)は小声で言いました。

「そのようなお方なら尽くしていないわ。」

「ではなんだ?」

「皇后様から賜った銀子や縁談は断ったの。二十五歳で皇宮から出られるけど皇后様にお仕えしたくて私は残ったの。」

「なら?」

「それで皇后様に言ったの。袁総管をと。」

「それは、皇后様をご安心させるためだろ?」

「そうじゃないわ。」

珍児(ちんじ)は袁総管に朱色の手巾を渡しました。

袁春望(えんしゅんぼう)は臭そうな物に触れているかのように手巾を摘まみました。


夜の麗景軒。

乾隆帝は順嬪(じゅんひん)の舞を鑑賞していました。順嬪は考え事をして転んでしまいました。

「明日薬王廟のもとへ行く予定がある。怪我も治ってない。怪我を甘く見てはならぬ。後遺症が残るやも。」

乾隆帝は心配そうに言いました。

順嬪(じゅんひん)は傷は浅いので大丈夫だと言いました。

すると、順嬪は涙を流しながら隠していたことがあると言いました。

「陛下がお優しいので隠すことがつらくなりました。」

順嬪は乾隆帝に秘密を打ち明けました。

乾隆帝は怒って部屋から出て行きました。


富察家の傅恒(ふこう)の書斎。

傅恒(ふこう)は順嬪(じゅんひん)から来月の十日に皇太后が薬王廟に行くので警備が手薄になったときに令妃(れいひ)を連れ出せると唆されたことを思い出していました。傅恒(ふこう)は順嬪から令妃が死にかけていることや、結婚を逃した責任について言われたことを思い出しました。


夜明け前。

大きな桶が二つ、四つと宮中に運ばれてきました。


厨房。

管事(かんじ)は部下たちに皇太后がお出かけになる前に早く朝餉(あさげ)を作り終えるよう命じていました。


延禧宮(えんききゅう)。

「延禧宮に近い蒼震門(そうしんもん)は水を運ぶ荷馬車が通るわ。たった一度しかない機会よ。」

体力が少し回復した瓔珞(えいらく)は順嬪(じゅんひん)から教えられたことを思い出していました。

庭に大きな水桶が置かれていました。

瓔珞(えいらく)は桶の中を覗き込みました。


通路。

「来い。」

小全子(しょうぜんし)は部下に水桶を運ばせました。


夜が明けました。

養心殿。

乾隆帝は落ち着かない様子で神武門を封鎖するよう命じました。

順嬪(じゅんひん)が部屋に入って来ると涙ながらに瓔珞(えいらく)の駆け落ちを見逃すように懇願しました。

「陛下にお知らせしなければよかったです。後悔しています。」


承乾宮。

「玉泉山へ向かう馬車はもう出発したかしら?」

嫻皇后(かんこうごう)は身支度しながら珍児(ちんじ)に尋ねました。

珍児(ちんじ)はもう神武門を出たと答えました。

「修羅場が見られず残念ね。」

嫻皇后(かんこうごう)は呟きました。

「どんなお芝居になるか見なくてもわかります。」

珍児(ちんじ)は言いました。

「そうね。目の下のこぶがひとつ減って心に穴が開いたようだわ。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。


神武門。

袁春望(えんしゅんぼう)は宮中で盗難があったと言って馬車を止めさせました。


寿康宮(じゅこうきゅう)。

皇太后が幸行の準備をしていると劉女官(りゅうにょかん)が戻って来て門が封鎖されたと報告しました。

皇太后は大盗物をするほどのことが起きていると直感しました。


養心殿。

袁春望(えんしゅんぼう)は皇帝と順嬪(じゅんひん)の前に水桶を運ばせました。

「陛下。瓔珞(えいらく)は気位が高い。後宮では生きられません。助けて欲しいと頼まれたのです。私は・・・私は放っておくことはできませんでした。傅恒(ふこう)大人も恩人なので協力すると約束してしまいました。でもそれ以来、ずっと気持ちが揺らいでいました。私は陛下を裏切ることができずに打ち明けてしまったのです。陛下。昔の恩情を考慮して二人をお助けください。」

順嬪(じゅんひん)は目に涙を浮かべて訴えました。


乾隆帝は水桶の布を取ろうとしてやめました。乾隆帝は李玉(りぎょく)に任せました。李玉(りぎょく)が布を外すと小全子(しょうぜんし)が転げ落ちました。

「ご挨拶いたします陛下。主(あるじ)の命令で桶の中に隠れておりました。」

小全子(しょうぜんし)は土下座しました。

「主だと?」

乾隆帝は言いました。

「はい。私の主は令妃(れいひ)様でございます。」

小全子(しょうぜんし)は言いました。

「意味が分からぬ。何のつもりだ。」

乾隆帝は言いました。

「令妃(れいひ)様を陥れようとする者が宮中におります。私はその者たちをおびき出すために中に入りました。」

小全子(しょうぜんし)は言いました。

「令妃(れいひ)を呼べ。」

乾隆帝は命じました。

「ここにいます陛下。ご機嫌うるわしゅう陛下。」

瓔珞(えいらく)は身なりを整えて参上しました。

「どういうことか説明しろ。」

乾隆帝は言いました。

「順嬪(じゅんひん)は私に駆け落ちをすすめその場を押さえようとしました。下手な芝居で私と陛下を欺けると思ったの?」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「瓔珞。駆け落ちが失敗すると思って準備していたのね。そうだとしても私に罪を着せるなんて。陛下。令妃が異変を察知したとしても外部との連絡は私を介さねばできませんでした。どちらが嘘つきか、傅恒(ふこう)大人が西直門で待っているかどうかで分かります。」

順嬪(じゅんひん)は言いました。

「順嬪は本当に口がうまいわね。この瓔珞も感心したわ。」

瓔珞は言いました。

「瓔珞。あなたとは姉妹と思っていたのにこんなことになるなんて。とても悲しいわ。」

順嬪は言いました。

「皇帝陛下にご挨拶します。」

富察傅恒(フチャふこう)がやって来て皇帝に挨拶しました。

「西直門にいたところを連行してきたのね。これで私を信じてもらえたかしら?」

順嬪は言いました。

傅恒は部下に報告するよう命じました。

部下は西直門にあったのは空の馬車だけで傅恒(ふこう)とは神武門で会ったと言いました。

「陛下。私は順嬪(じゅんひん)様に令妃(れいひ)様と駆け落ちしろと唆されたため陛下に訴えるつもりでした。ですが証拠もなく寵姫を弾劾しても信用されません。ゆえに信じるふりをしたのです。」

傅恒(ふこう)は説明しました。

「陛下。こんなのでたらめです!信じてはなりません。」

順嬪は言いました。

「あなた言わなかった?私は外部と接触できず傅恒(ふこう)は西直門で待っていると。今更知らない振りをするの?」

瓔珞は言いました。

「瓔珞。わかったわ。私にけがをさせて罰を受けた日から私を恨んでいたのでしょう?だからこの奴婢とつるんで私を陥れたのよ。あなたは涙を流して私を同情させ私の駆け落ちの手助けをさせた。すべてはあなたと傅恒大人が仕組んだのよ。私が疑われるように仕組んだのでしょう!」

順嬪(じゅんひん)は言いました。

「言い訳が思いつくのが早いわね。」

瓔珞は言いました。

「陛下。私を信じてください。令妃はともかく傅恒大人を陥れる理由が私にありますか?私の命の恩人です。令妃の話には根拠がありません。」

順嬪は皇帝にすり寄りました。

「私も知りたい。なぜ恩人の私を陥れたのだ。」

傅恒は言いました。

「皆に疑われても私は怖くありません。陛下が私を信じてくださるなら。」

順嬪は跪きました。

「李玉(りぎょく)。海蘭察(ハイランチャ)から届いた箱を持て。」

乾隆帝は命じました。

李玉(りぎょく)は箱を皇帝に差し出しました。

乾隆帝は箱の中からタンバリンなどの品物を取り出しました。

「傅恒。順嬪がそなたを陥れた理由はこれだ。霍蘭部(フォランぶ)の残党を倒した後に海蘭察(ハイランチャ)に順嬪(じゅんひん)の過去を調べさせた。愛必達(アイビダ)はずっと生き別れた娘を見つけて入内させたと言っていた。だが娘は入内を拒み十五歳で養父が取り持った相手に嫁いだ。だがアイビダにとっては美しい娘を使わない手がない。」

乾隆帝は説明しました。

「陛下は最初から私を疑っておられたのですね。」

順嬪(じゅんひん)は床に座り込みました。

「魏瓔珞は感情のなすがままに人を傷つけたりはせぬ。」

乾隆帝は言いました。

「フン。」

順嬪(じゅんひん)は笑いました。

「順嬪。結婚していたの?」

瓔珞は尋ねました。

「結婚したうえに子も産んでいる。」

乾隆帝は言いました。

「そうよ。既婚で子まで産んだおなごを入内させるとは。いくら拒んでも無駄でした。」

順嬪(じゅんひん)は言いました。

「検査をどうやってすり抜けたの?」

瓔珞は尋ねました。

「ある方法があったの。」

順嬪は答えました。

「なぜ朕に早く言わなかった。」

乾隆帝は言いました。

「言えるわけないでしょ!あなたは皇帝陛下。あなたもよ。傅恒(ふこう)。死ぬつもりだった私をなぜ助けたの?あなたのお節介は私を地獄に突き落とした。だからあの香袋を使って瓔珞に近づき信頼を得て駆け落ちを企てたの。二人を破滅にさせたかった。悔しいわ。とても悔しい。」

順嬪は言いました。

「順嬪。私はあなたに恨まれる理由がないわ。」

瓔珞は言いました。

「その通りよ。でもあなたは傅恒大人の想い人で陛下の寵愛の人。傅恒大人がここまでバカだとは思わなかったわ。私の誘いに心動かされながらも拒絶した。彼は自分のことを犠牲にしてまであなたを守ったのよ。あなたはどうして運が強いの?」

順嬪(じゅんひん)は言いました。

感想

瓔珞(えいらく)63話の感想です。順嬪(じゅんひん)の正体がバレました!何と順嬪(じゅんひん)は霍蘭部(フォランぶ)の愛必達(アイビダ)の娘で15の歳に結婚して子までいるそうです!何ととんでもないお話になってしまいましたね。順嬪(じゅんひん)は自害しようとしていたところを傅恒(ふこう)に助けられ渋々父の強制で紫禁城に入内したというお話でした。順嬪(じゅんひん)は無理強いされた人生は面白くないので乾隆帝の寵愛を受けるも乾隆帝は瓔珞(えいらく)を想っていることを知り、さらには傅恒(ふこう)も瓔珞(えいらく)を想っていることを知っていたので富察傅恒(フチャふこう)を陥れ瓔珞(えいらく)ともども殺そうとしていたのでした。

順嬪(じゅんひん)にとって明玉(めいぎょく)はどうでもよい命で利用して捨てるだけの存在でした。

順嬪(じゅんひん)は一体誰の夫になったのかわかりませんが、一応美貌に秀でているという設定なので有力者と結婚していたのかもしれませんが、結婚相手は貴族ではなかったのかもしれません。

何とも無茶苦茶なお話ですね。

この騒動の中で嫻皇后(かんこうごう)は瓔珞(えいらく)の名を騙り茉莉花を皇帝に献上させたり、瓔珞(えいらく)に贈られた琴を円明園から皇帝のもとに届けさせたりして瓔珞(えいらく)が瀕死で苦しんでいるのではない印象を皇帝に押し付けていました。もしも乾隆帝が瓔珞(えいらく)が死にそうだとしたら目の色を変えて飛んで行ったはずです。そしてその責任が皇后に降りかかることはわかっていた嫻皇后(かんこうごう)。だからこそ袁春望(えんしゅんぼう)が瓔珞(えいらく)を殺そうとしたことを知って警告をしたのです。でも袁春望(えんしゅんぼう)はその警告を無視して瓔珞(えいらく)を殺そうとしました。瓔珞(えいらく)は何とか小全子(しょうぜんし)に知恵を与えて生き延び再起しました。小全子(しょうぜんし)は瓔珞(えいらく)が死ねば自分が処刑されることを悟り、今は瓔珞(えいらく)を助けるほかないと思ったようです。

この辺りの動きはわかりにくかったですね。

また乾隆帝も密かに順嬪(じゅんひん)を調べていました。そして皇太后が薬王廟に行く朝には既に順嬪(じゅんひん)の素性を知っていたものと思います。抜かりない乾隆帝のはずですが、どうして瓔珞(えいらく)の窮状を知らなかったのでしょうか。そこが何とも不思議ですね。想い人であるというなら常に愛する人の様子を心配して探らせているのが皇帝という人なのでは?と思うのですが、面白おかしく作ってあるだけのドラマですから都合よく話が出来ているようです。

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