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瓔珞(えいらく)52話 あらすじと感想 剥がれ落ちた仮面 純貴妃の本性が皇帝の知る処となり最期を迎えることに...中国ドラ

瓔珞(えいらく)52話 剥がれ落ちた仮面

瓔珞(えいらく)52話 のあらすじと感想

目次

あらすじ

第五皇子永琪(えいき)が草烏(そうう)を服用した中毒症状で床に伏し、その罪が瓔珞(えいらく)に被せられました。愉妃(ゆひ)は「せっかく親しくなったのに息子をなき者にしようとするなんて!あなたはそれでも人なの?良心はないの!?」と騒ぎだしました。乾隆帝はなぜ延禧宮(えんききゅう)に中毒を引き起こす薬があったのか尋ねました。純貴妃(じゅんきひ)は太医院以外に延禧宮(えんききゅう)にしかその薬が無いと答えました。

「陛下。令妃(れいひ)様は落馬されて右腕を負傷なさり、葉侍医が草烏(そうう)頭膏(ずこう)を処方しました。この膏薬は骨折によく効き草烏(そうう)を配合しますのでその宮にあっても不思議ではありません。」

劉侍医(りゅうたいい)は答えました。

袁春望(えんしゅんぼう)は状況を冷静に分析していました。

愉妃(ゆひ)は涙を流していました。

「陛下。令妃(れいひ)は陛下の御恩に報いず嫉妬心から毒を盛りました。このような手段を択ばぬ者は赦してはいけません。陛下のご寵姫を罰するのはしのびありませんが他の者が真似るおそれがございます。おそれながら令妃の処罰を求めます。皇子の命を狙うなど赦されぬということを天下に知らしめなければなりません。」

純貴妃は立ちあがって皇帝に処断を求めました。

「延禧宮(えんききゅう)に草烏頭膏(そううずこう)があれば令妃(れいひ)の関与は間違いないと決めつけることはできぬ。」

乾隆帝は言いました。

「陛下のおっしゃる通りです。子のない令妃が皇子を殺しても憂さ晴らし以外の動機にしかならないわ。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「皇后様。私と皇子は純貴妃(じゅんきひ)様の恩を受けて以来、令妃(れいひ)様に虐げられています。機嫌伺いの恥知らずと罵られ令妃に仕える明玉(めいぎょく)にまで侮辱されました。わが子が母が侮辱されるところを見て言い返したところ、延禧宮(えんききゅう)の恨みを買ってしまい殺されそうになりました。皇后様。世の中にはこのようなむごいおなごがいるのです。」

愉妃(ゆひ)は涙ながらに訴えました。

「陛下。延禧宮の者と捕らえて一人ずつ取り調べてはどうですか?」

嫻皇后は言いました。

「それは奴婢だけですか?令妃の処遇はどうなさいます?」

純貴妃は言いました。

「令妃は四妃の身分なのでまずは禁足にして真相が分かってから決めてはどうかしら。」

嫻皇后は言いました。

「皇后様は令妃に猶予をお与えになるのですか?証人も証拠も揃っているのにこれ以上何をお調べになるというのです?」

純貴妃は上品に言いました。

「尋問もせずに罪を決めることはできないわ。」

嫻皇后は言いました。

純貴妃は黙りました。

「陛下。令妃を寵愛なさるのはわかりますが第五皇子は血を分けた我が子です。このような目に遭ってよいのでしょうか?陛下!永琪(えいき)。役に立たない母でごめんね。逆恨みされたあなたを守れぬ母など死んだ方がましだわ!」

愉妃(ゆひ)は乾隆帝の膝にすり寄り顔をしわくちゃにして泣きました。

愉妃は寝台の角に頭をぶつけようとしましたが、乾隆帝に止められました。

「真相も分からぬのに乱心するな。」

乾隆帝は愉妃(ゆひ)を叱りました。

「陛下。私は力がないゆえ逆恨みになすすべがございません。令妃(れいひ)を罰せぬのなら私は死んで訴えます。」

愉妃(ゆひ)は正座して泣きました。

「ふ・・・。陛下。御覧になったでしょう。前より申し上げたように私のせいでなくても寵愛をうければ皆から悪者にされるのです。」

瓔珞(えいらく)は乾隆帝に言いました。


通路。

「早く早く!」

袁春望(えんしゅんぼう)は葉天士を連れて行きました。


永和宮。

「令妃(れいひ)。まだ言い訳をするの?第五皇子は意識不明で愉妃(ゆひ)が訴えればもう十分でしょ?これで延禧宮(えんききゅう)が調べられたら言い逃れはできないわ。大人しく罪を認めなさい。」

純貴妃は言いました。

「令妃。朕のいう事に応えよ。そなたがやったのか?」

乾隆帝は尋ねました。

「違います。陛下。もうすぐ証人が来ます。」

瓔珞は答えました。

「葉侍医(ようたいい)のご到着!」

袁春望(えんしゅんぼう)は部屋の外から叫びました。

「陛下と皇后様にご挨拶します。」

葉天士は皇帝の前に跪きました。

乾隆帝は立つことを赦しました。

「やはり証人は葉侍医ね。侍医。令妃に草烏頭膏を処方したわね?」

純貴妃は尋ねました。

「はい。」

葉天士(ようてんし)は答えました。

「川貝と相克するのか?」

乾隆帝は尋ねました。

「はい。」

葉天士は答えました。

「令妃。そなたは朕に何を証明しようとしている?」

乾隆帝は言いました。

「葉侍医。私は医術に無知ですが、誤って食べた時に何をすべきでしょうか?」

令妃は尋ねました。

「誤食でしょうか?」

葉天士は尋ねました。

「ええ。微量の毒薬を飲んだり相性の悪い物を食べたらどうすべきですか?」

瓔珞は尋ねました。

「吐かせます。」

葉天士は答えました。

「では劉侍医。皇子を吐かせましたか?」

瓔珞は尋ねました。

「皇子は弱っているので嘔吐は難しいかと思います。解毒剤を飲ませました。」

劉侍医は答えました。

「その子は危機を脱しましたか?」

令妃(れいひ)は尋ねました。

「い・・・いいえ。」

劉侍医は動揺しました。

嫻皇后(かんこうごう)はその様子に気が付きました。

「ご覧の通り皇子の意識は戻らないわ。」

純貴妃は言いました。

「それは解毒薬が効かなかった証拠です。では葉侍医の処方なら?」

瓔珞は言いました。

「このような目に遭わせておいてあなたはまだこの子を苦しめるつもり?」

焦った愉妃(ゆひ)は第五皇子の寝台に上がって抗議しました。

「陛下。葉侍医の医術を信じてください。そして私の無実を証明させてください。」

令妃(れいひ)は跪いて皇帝に頼みました。

「葉天士。自信はあるか?」

乾隆帝は尋ねました。

「ご安心ください。緩やかに嘔吐をもよおす薬を処方いたします。服用すればすぐに解毒します。」

葉天士(ようてんし)は答えました。

「分かった。処方せよ。朕は葉天士を信じる。」

乾隆帝が言うと、純貴妃(じゅんきひ)と愉妃(ゆひ)の表情が変わりました。

「陛下。弱り切っている皇子にそんな治療はできません。もしもの時は私も生きていけません。なぜ疑われている者の言葉を信じるのですか?」

愉妃(ゆひ)は言いました。

「冷静になれ。」

乾隆帝は部屋から出て行きました。

別の部屋。

乾隆帝と皇后と関係者たちは待っていました。

「陛下。ご報告いたします。第五皇子様はすべてお吐きになられました。草烏(そうう)は服用してすぐ解けるので確認できませんでした。ただ不可解な事に人参が消化しないまま大量に出て来ました。」

葉天士(ようてんし)は戻って来て答えました。

「肺が弱り咳が出ているので補ったのだ。」

劉侍医は葉天士に言いました。

「補薬なら側根を茶にして服用します。なぜ大量の人参が出て来たのですか?皇子様はお若くお体も丈夫なのに人参の大量服用で気を失い胃の血のめぐりが悪くなり意識不明になったのです。劉侍医は子どもの薬にお詳しいのにどうしてこんな過ちを?」

葉天士(ようてんし)は言いました。

「誰かに指示され令妃(れいひ)を陥れたのでは?」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「陛下お許しください。愉妃(ゆひ)様が人参を使えとお命じになったのです。私は反対しましたが草烏(そうう)を飲んだと言い張ったのでございます!ゆえに私は脈診を誤りました。」

劉侍医は土下座しました。

「人参の大量服用が原因なら草烏(そうう)と関係ないのでは?」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「愉妃(ゆひ)様が皇子の命が危うくなる人参を使うはずがありません。侍医を懐柔して私に罪を着せたのです。」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「愉妃(ゆひ)。」

乾隆帝は説明を求めました。

「陛下。大量の人参にこのような副作用があるとは私も知りませんでした。陛下。私の姓でございます。知らずに皇子を害し令妃(れいひ)に失礼なことをいたしました。」

愉妃(ゆひ)は土下座しました。

「そなたのせいだ。実の母でありながら令妃(れいひ)を陥れるため永琪(えいき)を犠牲にした。言え!誰の差し金だ!」

乾隆帝は言いました。

「言わないとあなたのせいになるわよ?」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「純貴妃(じゅんきひ)様の指図です。純貴妃(じゅんきひ)様がすべてを指示して人参も与えました。無理強いされなければ我が子をこんな目に遭わせるなどできません!陛下。すべては純貴妃(じゅんきひ)の指示です。」

愉妃(ゆひ)は答えました。

「愉妃(ゆひ)!私を陥れるつもり?嫉妬心から令妃(れいひ)を陥れたくせに!罪を逃れようと私にまで罪を着せるとは。獰猛な虎でも我が子は食べないわ。こんなひどい母がいるとは!陛下!このような者の言うことを信じてはなりません!」

純貴妃(じゅんきひ)は声を荒げました。

「天に誓って真実だと誓います。そうだ。内務府の庫房に鍾粋宮(しょうすいきゅう)が人参を受けた記録があるはずです。」

愉妃(ゆひ)は言いました。

「父上。母上。」

永琪(えいき)が部屋にやって来ました。

「おいで。調子はどうだ?」

乾隆帝は息子に尋ねました。

「全身がだるくめまいがします。」

永琪(えいき)は言いました。

「大丈夫だ。すぐによくなる。お前を苦しめた者を朕は赦さぬ。誰か。純貴妃(じゅんきひ)は鍾粋宮(しょうすいきゅう)に閉じ込めよ。他の者は慎刑司(しんけいし)へ送れ。日没前に真相を知りたい。」

乾隆帝は命じました。

「陛下。愉妃(ゆひ)はどうなさいます?」

嫻皇后(かんこうごう)は尋ねました。

「監禁だ。」

乾隆帝は永琪(えいき)の頭をなでると部屋から出て行こうとしました。

「陛下!」

純貴妃は乾隆帝の手を掴みました。

乾隆帝は純貴妃の手を振りほどいて部屋から出て行きました。

「母上を連れて行かないで!」

永琪(えいき)は母に抱き着き泣きました。

「永琪(えいき)。聞きなさい。これからは令妃(れいひ)の言うことをよく聞くのよ。」

愉妃(ゆひ)は永琪(えいき)に耳打ちしました。


承乾宮。

拷問された玉壺(ぎょくこ)が嫻皇后(かんこうごう)の前に突き出されました。珍児(ちんじ)は玉壺が口を割らないと言いました。

「皇后様。私の主は濡れ衣を着せられました。罪は犯していません。」

玉壺は釈明しました。

「玉壺。愉妃の証言で純貴妃の罪は明らかよ。侍女がはじめに処罰される。純貴妃は皇子の母ゆえ大罪を犯しても死罪は免れるわ。あなたは?」

嫻皇后は訪ねました。

「皇后様。私は死んでお詫びします。でも純貴妃様は無実です。」

玉壺は純貴妃(じゅんきひ)への忠誠を見せました。

「立派な忠心ね。でも親孝行とは言えないわ。あなたに親兄弟がいるなら家族のことも考えたら?」

皇后は言いました。

延禧宮(えんききゅう)。

瓔珞(えいらく)は鞦韆(ブランコ)に腰かけながら考えていました。

背後に乾隆帝が現れました。

乾隆帝はブランコを大きくゆすりました。

「陛下。何をなさるのです?」

「邪魔をせぬよう取り次がせなかった。どうした。そなたも朕をよくびっくりさせるだろう?」

「陛下は先ほどは私を守ってくださらなかった。」

「みなの前でそなたの味方をすれば、そなたは後宮中を敵に回すことになるだろう。」

「つまり陛下は私の味方なのですか?」

「朕の後ろ盾がなければ釈明すらできぬぞ。」

乾隆帝は言いました。

嫻皇后(かんこうごう)がやって来ました。

瓔珞(えいらく)は立ちあがって皇后を迎えました。

嫻皇后は第七皇子に関して重大な事実がわかったと言いました。

玉壺(ぎょくこ)が目の前付き出されました。

「陛下。純貴妃様のご命令で熟火処の管事(かんじ)王忠を抱き込み利用しました。あの夜、慈悲深い富察皇后様は早くに奴婢を休ませました。純貴妃様は長春宮の者を手なづけ燃えやすい菊花炭に替えて甕の底の細工を王忠にお命じになったのです。氷を解かす火が消え第七皇子様は火の中に包まれました。」

玉壺(ぎょくこ)は白状しました。

乾隆帝は立ちあがりました。

「陛下。愉妃(ゆひ)の件に関連して思わぬことが明らかになりました。この国の将来を担う第七皇子は陛下と皇后様にとってこのうえなき宝でした。純貴妃(じゅんきひ)があのようなことを企んだとは・・・。皇子が無事なら富察皇后様も・・・。長春宮は奴婢のめぐりあわせがよくなかったわね。」

嫻皇后は言いました。

「陛下。侍女の明玉(めいぎょく)もあれ以来鍾粋宮(しょうすいきゅう)に仕えていました。」

瓔珞(えいらく)は明玉に証言するよう促しました。

「陛下。私は鍾粋宮(しょうすいきゅう)に配されていた時、最初は純貴妃(じゅんきひ)様はお優しかったです。でも私が王忠と玉壺(ぎょくこ)のあいびきを目撃してからは純貴妃は私を虐げ口封じしようとしました。」

明玉(めいぎょく)は証言しました。

「なぜ朕に言わなかったのだ?」

乾隆帝は尋ねました。

「それは・・・。」

明玉は口ごもりました。

「明玉は証拠がなかったゆえ言えなかったのです。証拠が無いと純貴妃のことを告発することすらできません。」

瓔珞(えいらく)は説明しました。

「陛下。陛下。」

玉壺(ぎょくこ)は皇帝に土下座しました。

「陛下。この者にも家族がいます。自分よりも家族のことが大切なはずです。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「すべて真実でございます。証人として死罪でも構いません。陛下。なんでもいたしますのでどうか家族だけはおやめください。」

玉壺は白状しました。

「王忠の自白とも一致しています。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「令妃の落馬は?」

乾隆帝は玉壺に尋ねました。

「令妃様は長春宮にお仕えし陛下の寵愛を賜りました。純貴妃様は発覚をおそれて令妃様を排除しようとしました。失敗すれば次の策を立てました。皇子の咳を利用して昏睡させて令妃様のせいにしたのです。」

玉壺は言いました。

「わかった。あの優しい純貴妃がかように非道な者だったとは。」

乾隆帝は言葉もありませんでした。

「連行しなさい。」

嫻皇后は命じました。

玉壺(ぎょくこ)は泣き叫びましたが連行されました。

「純貴妃(じゅんきひ)が第七皇子を葬ったとは。これより封号を剥奪し、答応(とうおう)に降格して冷宮に幽閉せよ。」

乾隆帝は命じると宮を後にしました。

「陛下。ご英断です。」

嫻皇后(かんこうごう)は皇帝を褒めました。

「助けてあげたわよ。」

皇帝が去ると嫻皇后(かんこうごう)は瓔珞(えいらく)に言いました。

「皇后様ご自身のためでしょう?」

瓔珞(えいらく)は皇后とは目を合わさずに言いました。

「あん?」

「純貴妃は皇后様に次ぐお方で第六皇子の母です。もし排除されたら一番得をするのは皇后様では?」

「令妃の富察皇后様に対する忠義心には感服するわ。」

嫻皇后も宮を後にしました。

「瓔珞。あの世においでになる皇后様も第七皇子様も喜んでいるわ。供え物をして皇后様の供養を長春宮で行いましょう?」

明玉(めいぎょく)は瓔珞(えいらく)に言いました。


養心殿。

「朕は純貴妃を優しく賢いおなごと思っていた。だがあの優しい顔の下に恐ろしい一面を隠していた。生まれたばかりの永琮(えいそう)に手を下すとは。これまで永琮の話をしても顔色一つ変えなかった。あのようなおなごが朕の近くにおったとは。まことに恐ろしい。」

乾隆帝はつぶやきました。

「陛下。いかに美貌に秀でていようとも正体までは隠せません。純貴妃(じゅんきひ)が処罰されるのは自業自得です。」

海蘭察(ハイランチャ)は皇帝を慰めました。

「朕は考えてみると令妃(れいひ)に導かれている気がする。真相を明らかにして純貴妃(じゅんきひ)を処罰するように。」

「陛下。令妃(れいひ)は長春宮に仕えていたのであの性格から悪を赦せぬのは当然でしょう。」

海蘭察(ハイランチャ)は言いました。

「先の皇后は思いやりが深かった。令妃(れいひ)が仇討をしても当然であろう。だが・・・。」

乾隆帝は言いました。

「陛下。何かご心配でしょうか。」

海蘭察(ハイランチャ)は尋ねました。

「何でもない。」

乾隆帝は海蘭察に部屋から出るよう合図を送りました。

「陛下。第五皇子様がまだ跪いておいでです。」

李玉は報告しました。

「愉妃(ゆひ)は母の資格が無いと言ってやれ。」

乾隆帝は命じました。


別の日の寿康宮(じゅこうきゅう)。

永琪(えいき)は皇太后の前で跪いていました。

皇太后は永琪(えいき)に愉妃(ゆひ)は赦されない罪を犯したので口添えできないと説明しました。

永琪(えいき)はどのような罪を犯しても今の自分があるのは母の教えが自分を導いてくれたので母を責めることはできないと答えました。

「孫がかわいいのなら私に免じて母を赦してください。祖母上。お赦しください。母上を救えるのは祖母上だけです。」

永琪(えいき)は土下座しました。

皇太后は永琪(えいき)の頼みを聞き入れました。


夜の延禧宮(えんききゅう)。

瓔珞(えいらく)は眠れませんでした。

「何か腑に落ちないの。」

瓔珞は明玉(めいぎょく)に言いました。

明玉は考えすぎると老けるわよと言って瓔珞(えいらく)を寝かしつけました。

瓔珞は愉妃(ゆひ)が第五皇子に何かを耳打ちしていたことを思い出しました。

瓔珞は身支度を済ませると延禧宮(えんききゅう)の外に出ました。

冷宮。

「春(チュン)。」

純貴妃(じゅんきひ)は机の上に傅恒(ふこう)の名前を書いては消しました。

嫻皇后(かんこうごう)が現れました。

「魏瓔珞が訪ねてくると思ったわ。まさかあなたとは。やっとわかったわ。魏瓔珞は後宮の者を恐れずなぜ寵愛を競ったのか。」

純貴妃は言いました。

「当然あなたを嫉妬させるため。そして寵愛を利用して第七皇子の件が暴露されるとあなたを追い詰めるためよ。魏瓔珞が勢いを増すほどあなたは潰そうと躍起になり、事を起こしたらぼろが出る。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「瓔珞は乗馬の噂を広めて私を誘ったのね。でも手を下さずとも瓔珞は騒ぎを起こして陛下に疑いを持たせます。一歩誤ればすべてが台無しになる。あの者(瓔珞)はずっと機会を待っていた。それで皇后。あなたの役割は何だったの?」

純貴妃(じゅんきひ)は尋ねました。

「純貴妃と瓔珞の関係がどうであれ私は清の皇后として公平なお裁きをするの。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「私がバカだったわ。あなたの手のひらで踊らされていたなんて。あなたは富察皇后の死と本当に無関係なの?」

「そうよ。」

「違うわ!富察傅恒(フチャふこう)への私の想いを見抜いて富察皇后への忠誠心を粉にした。私に子を持たせるようすすめて寵愛を競わせた。永瑢(えいよう)が生まれた後にこう言ったわよね、第七皇子は世継ぎにふさわしいと。」

「あなたの憶測よ。証拠があるの?」

「わかったわ。内務府が燃えやすい菊花炭に変えたのはあなたが指示したんだわ。富察皇后の出産であなたは後宮を取りまとめて内務府のすべてを把握していた。あなたが私に事を起こすよう仕向けたのよ!まだあるわ。富察皇后の皇子が死ねば皇后も後を追うとわかっていた!那拉(ナラ)氏!あなたは一歩一歩確実に皇后を追い詰めた。あなたの目的は皇后の座だったのね!

「続けなさい。」

第七皇子を殺して富察皇后を自害させ私と瓔珞を競わせた。ついには瓔珞の手を借りて私を追い落とした。はじめから自分の手を汚さずにね。おかしいわね。アハハハハ。アハハハハ。おかしいわ。バカみたい!私は誰と競い誰に振り回されていたの。長年の夢は露と消え他人の花嫁衣裳を縫うはめになるなんて!那拉(ナラ)氏!あなたはどうしてそこまで残忍なの!」

「富察容音(ふちゃようおん)が善人ぶっていたから気に入らなかったのよ。あなたもよ。派閥に入らない私を何度も誘ってたわよね。富察氏と高氏の間で窒息しそうだったわ!皆は私に冷たかった。母が毎晩夢枕に立って私を責め立てるの。この苦しさが分かる?皆は非情なくせに私に正義を求める。おわらい草ね。蘇答応(そとうおう)。あなたが先の皇后を恨んだのは傅恒(ふこう)への思慕が原因なの?可愛さ余って憎さ百倍ね。永瑢(えいよう)の将来を考えてですって?立派な振りはやめたら?本当は己の恨みや悔しさのためでしょ?」

嫻皇后は純貴妃の顎を掴みました。

「違う。すべては永瑢(えいよう)のためよ。」

「あなたが今思っていることは何?永瑢(えいよう)?傅恒(ふこう)?かつて仕えた富察容音(ふちゃようおん)?城郭から飛び降りて血まみれになったよね。彼女が夢に出て来てこう聞かなかった?なぜ私の子を殺したの?と。ふっ。」

「確かに悔しかったわ。あれほどの代償を払い何も得られなかった。傅恒(ふこう)も富察皇后も。どちらも恨んでいるわ。私など眼中になかったからよ。だからあの二人を後悔させたくて第七皇子を殺したの。私が犯した過ちは一生をかけても償い切れないわ。でも幸せなことに、またあの人(フチャ皇后)に会える。あなたは、私を見送りに来たのよね?」

「あなたの言う通りよ。おやりなさい。」

嫻皇后は言いました。

その背後に若い時の富察皇后(ふちゃこうごう)に似た謎の女性が立っていました。

永和宮。

瓔珞(えいらく)は門前に立っていました。

「令妃(れいひ)母上。寿康宮(じゅこうきゅう)から戻りました。何か御用ですか?」

永琪(えいき)は礼儀正しく尋ねました。

「いいえ。永琪(えいき)。あなたの母は何か言ってなかった?教えてちょうだい。」

瓔珞(えいらく)は尋ねました。


承乾宮。

嫻皇后は燭台の芯を一本切りました。灯火は残り一つになりました。


次の日の養心殿。

乾隆帝は眠れぬまま夜を明かしました。

李玉(りぎょく)は休むように促しました。

徳勝が駆け付け蘇答応(そとうおう)が大変なことになっていると報告しました。


延禧宮(えんききゅう)。

袁春望(えんしゅんぼう)は蘇答応(そとうおう)が何者かに首を斬られていたと言いました。

明玉(めいぎょく)はぞっとしました。


皇帝の政務の部屋。

李玉(りぎょく)は血に染まったタコ糸を皇帝に見せました。

乾隆帝は箝口令を敷きました。


延禧宮(えんききゅう)。

袁春望(えんしゅんぼう)は凧糸の話をしました。

明玉(めいぎょく)は瓔珞(えいらく)の仕業だと思われることを懸念しました。

瓔珞(えいらく)は考えると急ぎました。


瓔珞(えいらく)は愉妃(ゆひ)に声を掛けました。

愉妃(ゆひ)は皇太后の命令で出家するところでした。

瓔珞(えいらく)は愉妃(ゆひ)と話をしました。

「なぜなの。」

「勝てば官軍と言うわ。あなたは勝者。喜んでいいのになぜ知ろうとするの?」

「解せないのよ。愉妃(ゆひ)。あなたがあっさり負けて罪を認めたのはすべてを知っていたからでは?」

感想

瓔珞(えいらく)52話の感想です。何と、純貴妃(じゅんきひ)が嫻皇后(かんこうごう)に殺されてしまいました!嫻皇后(かんこうごう)の極悪非道振りは高貴妃(こうきひ)以上です!!!嫻皇后(かんこうごう)は長春宮がより燃えやすいよう炭を替えたそうですが、純貴妃(じゅんきひ)の動向を読んで墨を替えるには太監の働きが必要です。まさか珍児(ちんじ)も関係しているというのでしょうか!?本当に恐ろしくて寒くなりました。

愉妃(ゆひ)は純貴妃(じゅんきひ)を裏切りました。愉妃(ゆひ)渾身の演技です!

今回は純貴妃(じゅんきひ)がやられる話がメインでした。

罪が重い順に並べると1位は嫻皇后(かんこうごう)で2位は純貴妃(じゅんきひ)、3位は高貴妃(こうきひ)で4位は皇太后、5位は裕太妃(ゆうたいひ)といったところでしょうか!?

続きを見るのが怖いです。

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瓔珞(えいらく)最終回70話 来世への誓い 目次 [ あらすじ ] [ 感想 ] [ 関連記事 ] あらすじ 乾隆帝暗殺に失敗した和親王弘昼(こうちゅう)と嫻皇后(かんこうごう)。嫻皇后(かんこうごう)は騒乱の最中少しでも私の心配をしてくれたのかと皇帝に尋ねました。皇太后は皇后に下がって休むように言いました。珍児(ちんじ)も皇后に休んで欲しいと頼みました。 「私をご覧ください。髪は乱れ化粧は落ちてしまっています。赤く腫れたこの手は火の中に飛び込んだ証拠です。やけどを負って傷跡が残ろうと少しも痛くありません!夫を救うためだからです。あなたと生死を共にするつもりでした。この女(瓔珞)こそが謀反人なのです!陛下はご自分をお守りになるべきなのに侍衛(しえい)全員にこの女を守らせました。この女は陛下のために何もしませんでした。陛下を愛していません。愛するのは己のためだけ。何度も陛下を利用して来ました。陛下を愛さぬ者を大切になさるなんて!あなたは愚か者よ!違う。愚かなのは私。私は最も愚かで間抜けよ。」 嫻皇后(かんこうごう)は皇帝に訴えました。 瓔珞(えいらく)はあまりの痛々しさに目を伏せました。 弘昼(こうちゅう)は皇后に同情しました。 「皇后を連れて行け。」 乾隆帝は命じました。 「近寄るな!」 嫻皇后(かんこうごう)は懐刀を抜きました。 「何をするつもり?」 皇太后は驚きました。 「正気を失ったか。」 乾隆帝はつぶやきました。 「富察容音は陛下よりも自由を愛し、高貴妃(こうきひ)は高家を優先しました。純妃(じゅんひ)の心に陛下はおらず他の妃嬪(ひひん)たちは富に群がっているだけ!紫禁城で唯一私だけが陛下を想っているのよ!」 嫻皇后(かんこうごう)は叫びました。 「杭州の軍を手紙ひとつで動かしたくせに心を尽くしているだと?」 乾隆帝は言いました。 「杭州の軍だけではないわ。同行している江南の役人も私の手の者たちです。お父さまの死で権勢の大切さを実感し年月をかけて皇族や大臣や役人の秘密を調べさせました。不正を働き法を犯した者たちは皆私を恐れて従うほかなかったのです。陛下が崩御なさった後は私が第二の孝荘文皇后(こうそんぶんこうごう)になるつもりでした。」 嫻皇后(かんこうごう)は言いました。 「あなたは大逆罪に値するわ。後宮は政治に

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袁春望(えんしゅんぼう) 袁春望(えんしゅんぼう) Youtube 動画 延禧攻略 42 より 中国ドラマ「瓔珞<エイラク>紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃」で登場回を重ねる度に存在感を増していく袁春望(えんしゅんぼう)とは一体何者なのでしょうか? ここでは物語の核心にまで迫っていますので、まだドラマをご覧になっていない方はこのページを閲覧しないほうがおすすめです。 目次 初回登場 瓔珞(えいらく)との出会い 瓔珞(えいらく)への執着 乾隆帝との関係 正体 執着から憎しみへ 憎しみの先には・・・ 結末 残された謎と考察 初登場 袁春望(えんしゅんぼう)はドラマに初めて登場するのは10話あたりです。 嫻妃(かんひ)が賄賂の資金を捻出するために侍女の珍児(ちんじ)の提案により太監長の趙慶(ちょうけい)を懐柔しました。趙慶(ちょうけい)は弟子の袁春望(えんしゅんぼう)を連れて神武門で密貿易するため嫻妃(かんひ)を待っていました。 しかし密貿易を試みたものの、高貴妃(こうきひ)が現れ嫻妃(かんひ)を虐げました。趙慶(ちょうけい)は罪を袁春望(えんしゅんぼう)になすりつけて逃げおおせたのです。 袁春望(えんしゅんぼう)は辛者庫(しんじゃこ)送りとなり永巷(えいこう)に肥溜めを運ぶ苦役を命じられました。 肥溜めに左遷された袁春望(えんしゅんぼう)は仲間だった太監たちにいじめられるようになりました。 袁春望(えんしゅんぼう)はやり返さずに耐えてました。 袁春望(えんしゅんぼう)は高貴妃(こうきひ)の犬の餌を盗み食いしたり、溝に落ちている食べ物を拾い食いしたり、雨水を飲んで命を長らえさせていました。 瓔珞(えいらく)との出会い 辛者庫(しんじゃこ)のもとに瓔珞(えいらく)が左遷されました。主人公が左遷された事情はネタバレになりますのでドラマを直接御覧ください。袁春望(えんしゅんぼう)が瓔珞(えいらく)と出会うのは28話あたりになります。 心も口も閉ざしている袁春望(えんしゅんぼう)に瓔珞(えいらく)があれこれと話しかけ、そして助けようとしたのです。 瓔珞(えいらく)と義兄弟に 袁春望(えんしゅんぼう)は瓔珞(えいらく)を自分と重ね合わせて同じだと

富察傅恒(ふちゃふこう)は清国乾隆帝の頃の大将軍で皇太子を支えた皇帝の義弟

富察傅恒(ふちゃふこう) 富察傅恒(ふちゃふこう)は1722年に生まれ、1770年に没した清王朝の大臣・軍人です。満州族出身の名門貴族です。乾隆帝の第一皇后、富察氏の実弟です。軍機大臣、大學士を務めました。 概要 侍衛(しえい)を経て内務府大臣、戸部尚書、軍機大臣、保和殿大学士を務めました。一等忠勇公を授かりました。皇太子を補佐する太子太保、太保を務めました。大金川の戦いで総指揮をとりました。乾隆帝からは文忠の号を贈られました。息子は嘉勇郡王に封じられました。 誕生 傅恒は満州族の名門、富察族に生まれました。 戦争 1747年~1749年 大金川の戦い(現在のアバ・チベット族チャン族自治州)。 1754年~1756年 内乱を鎮圧しました(現在のイリ・カザフ自治州)。 1768年~1769年 軍の最高司令官となりビルマへ侵攻し、戦に敗れて停戦を結びました。 逝去 ビルマへの遠征から戻り、北京でマラリアにかかって亡くなりました。 家族 父は李栄宝(りえいほう)です。 妻は那拉氏(ならし)です。 姉は乾隆帝の皇后、孝賢純皇后富察氏(こうけんじゅんこうごうふちゃし)です。 甥の 明瑞 は乾隆帝の義理の息子ですがビルマ征服に失敗し自害しました。 富察傅恒(ふちゃふこう)が登場するドラマ 瓔珞(えいらく)紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃 富察皇后(ふちゃこうごう)の弟として侍衛(しえい)という皇帝の護衛役で登場します。乾隆帝の弟、弘昼(こうちゅう)や海蘭察(ハイランチャ)の友人という設定です。性格や行動はとても真面目で仕事が終わった後は書斎で本を読んで兵法の勉強をしています。馬術はもちろん棒術にもすぐれ戦場での武勇は数知れず。そして身近にいる美女にも一切手を出さず生涯を通じて一人の女性を愛し抜いた男の中の男です。 関連記事 孝儀純皇后魏佳氏(こうぎじゅんこうごうぎかし)は乾隆帝の第三皇后 儲秀宮(ちょしゅうきゅう)の解説 全話あらすじ一覧 瓔珞<エイラク>紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃 ストーリーを詳しく解説! 参考: Wikipedia 中国 - https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%82%85