瓔珞(えいらく)31話 辣腕なる代行者
目次
あらすじ
懐妊中の富察皇后(ふちゃこうごう)が高貴妃(こうきひ)に突き落とされ意識不明になりました。後宮を任された嫻妃(かんひ)の名声は日に日に高まっていきました。嫻妃(かんひ)は皇太后に取り入り土地を貸して利を得る策を提案しました。皇太后は倹約につとめた皇后よりも嫻妃(かんひ)のおかげで利を得て過ごしやすくなったと喜びました。
嫻妃(かんひ)は直隷(ちょくれい)や山東(さんとう)の水害で被災した民が都に押し寄せているので粥を配りたいと皇太后に言いました。
高貴妃(こうきひ)は食糧と銀子の調達はどのようにやるのか嫻妃(かんひ)に尋ねました。高貴妃(こうきひ)は内務府からお金を出せば、自分たちの暮らしが苦しくなると言いました。
嫻妃(かんひ)は商人の義援金で賄うと答えました。
「皇太后様が慈善条例をお出しになれば賛同が得られると思います。その時は内務府の庫銀に頼る必要がなくなります。」
嫻妃(かんひ)は言いました。
皇太后は嫻妃(かんひ)を褒め、民を救済することで皇后の回復祈願にもなるのでやってみればよいと許可を出しました。
寿康宮(じゅこうきゅう)の門前。
高貴妃(こうきひ)は皇太后に気に入られた嫻妃(かんひ)が気に入りませんでした。
嫻妃(かんひ)は皇后の代理であり皇后の座を狙っているわけではないと言い返しました。
「芝居が下手ね。あなたのような身の程知らずは大嫌いだわ。」
高貴妃(こうきひ)は嫻妃(かんひ)に嫌味を言って帰りました。
嫻妃(かんひ)は礼儀を守って高貴妃(こうきひ)を見送りました。
儲秀宮(ちょしゅうきゅう)。
高貴妃(こうきひ)は重陽節(ちょうようせつ)で皇太后を救って活躍している嫻妃(かんひ)が目障りになりました。
「苦労して手に入れた果実を持っていかれるとはね。」
嫻妃(かんひ)は言いました。
舒貴人(じょきじん)納蘭(ナーラン)氏は嫻妃(かんひ)が権力を持たないようにするために策があると言いました。
嫻妃(かんひ)は明日、地安門で粥を配布する予定でした。
辛者庫(しんじゃこ)。
劉女官(りゅうにょかん)は左遷された女官と太監たちに銀子一両と休日一日と引き換えに明日粥を配布するよう命じました。錦繍(きんしゅう)たちは喜びました。瓔珞(えいらく)は咳をしながら話を聞いていました。袁春望(えんしゅんぼう)も一緒にいました。
劉女官(りゅうにょかん)は「嫻妃(かんひ)様が病の者は医者に診てもらい一日休むようお命じになった」として瓔珞(えいらく)に休暇を与えました。
皆は錦繍(きんしゅう)の合図で解散しました。
「やり手だな。嫻妃(かんひ)様は冷静にも人の心を掴むとは。それに比べ、お前の主の皇后様は随分劣るな。そうだろ?ん?高熱じゃないか。帰って休め!」
袁春望(えんしゅんぼう)は瓔珞(えいらく)の背中をさすってあげました。そして瓔珞(えいらく)の額に手を当て熱がわるとわかると袁春望(えんしゅんぼう)は自らの背中を差し出し瓔珞(えいらく)を背負いました。
錦繍(きんしゅう)は袁春望(えんしゅんぼう)が瓔珞(えいらく)の世話をしていることに嫉妬しました。
養心殿。
「放蕩者の私は騒ぎを起こし母を心配させました。長年の苦労を詫びます。母の墓を守ることが親不孝者の私に唯一できることかと。」
和親王(わしんのう)弘昼(こうちゅう)は皇帝に会って三年間裕太妃(ゆうたいひ)の墓を守りたいと頼みました。
「親不孝者?たしかにお前は親不孝者だ。先帝の息子で朕の弟で、清の皇子だぞ!長きに渡り母親の言う通りに放蕩者を演じて過ちを犯して時を無駄にした。どこまで過ちを犯し続ける気だ。その目は何だ?お前にとって朕は兄弟を殺す容赦ない皇帝か?後宮暮らしの裕太妃(ゆうたいひ)は視野が狭くなっていた。裕太妃(ゆうたいひ)は帝位争いを避けるためにそちを台無しにした。このままでは一生無能だぞ。愛新覚羅(アイシンギョロ)家の恥だ。自害しろ。弘昼(こうちゅう)。朕は常に機会を与えた。心を開くまで待った。だが十年経ってもこれほど愚かとは。もう行け。二度と戻って来るな。」
乾隆帝は怒りました。
「陛下。愚かな私をお許しください。どうか、お許しください。」
弘昼(こうちゅう)は土下座しました。
「弘昼(こうちゅう)。お前は愛新覚羅(アイシンギョロ)の子孫で和親王(わしんのう)だ。争いを避けるため志や理想を愚か者を演じて隠してしまうのか?先帝や先祖に顔向けができるのか?朕は言うべきことは言った。理想があるならよく考えろ。この国のため、民のために何をすべきか。」
乾隆帝は言いました。
養心殿の外。
弘昼(こうちゅう)が帰ろうとすると嫻妃(かんひ)が輿に乗ってやって来ました。嫻妃(かんひ)は帰ろうとする和親王(わしんのう)を呼び止めると涙を拭うよう指摘しました。弘昼(こうちゅう)は母を思い出して涙が出ただけだと釈明しました。嫻妃(かんひ)は涙を拭かないと兄弟の不和の噂が広まるだろうと言いました。珍児(ちんじ)は弘昼(こうちゅう)に明日の粥の配布を一緒にやろうと誘いました。嫻妃(かんひ)は善行をすれば世間の目が変わると優しく言いました。
「すべてあなたのお顔に書いてありますよ。」
嫻妃(かんひ)はそう言うと明日の件で皇帝に会いに行きました。
弘昼(こうちゅう)のもとに太監が戻って来ました。太監はずっと弘昼(こうちゅう)を捜し回っていました。太監は「無断でどこかへ行かれるなんて」と苦言を呈しました。
「そちと私、どちらが主かわからんな。この顔を見て何か見えぬか?」
弘昼(こうちゅう)は若い太監に尋ねました。
太監はなにも見えないと答えると、弘昼(こうちゅう)は安堵しました。
次の日の辛者庫(しんじゃこ)。
瓔珞(えいらく)は咳き込みながら寝ていました。女官たちは出勤しました。錦繍(きんしゅう)は途中で引き返しました。
瓔珞(えいらく)はどこかに出かけました。錦繍(きんしゅう)は瓔珞(えいらく)の後を尾行しました。
地安門。
嫻妃(かんひ)が見守る中、女官と太監は食糧を配りました。すると民が押し寄せ混乱し始めました。
呉書来(ごしょらい)は並ばないと饅頭を配れないと叫びました。
「これは何だ!妃が粥を配るはずでは?こんなものは水だ!この饅頭を見ろ。砂を入れやがって。たべれば歯が欠ける。」
並んでいた男が碗を地面に投げつけて怒りました。
「嫻妃(かんひ)様。誤解です。砂など入れてません。」
珍児(ちんじ)は嫻妃(かんひ)に釈明ました。
「やっとのことで都まで来たのに衣食にもありつけぬ。あちこちで追い払われる。金持ちはケチだ。俺たちは衣食に困って子まで売ってるのに。飯を配るなんて大ウソつきだ!」
別の男は言いました。
袁春望(えんしゅんぼう)は冷静にその様子を眺めていました。
「なくなる前にいただこう!さあ!」
男は饅頭を投げました。皆は地面に落ちた饅頭を拾いました。
「全然足りないぞ。責任者を出せ!飯をくれ!」
別の男が叫ぶと皆は暴れ始めました。
「聞きなさい。すぐに別の食糧が来る。」
呉書来は言いましたが男に殴られてしいまいました。
「あの女だ!詐欺師だ!捕まえろ!」
男が台を乗り越えようとしました。
袁春望(えんしゅんぼう)は素早い動きで前に飛び出すと、男を斬り殺しました。
「こやつは偽善者だ。詐欺師だ。被災民なら天津や山東から急いで草履(ぞうり)のままで来るはずだ。足の皮が破れているはず。こいつは布靴を履いている。被災民の振りをした偽物だ。」
袁春望(えんしゅんぼう)は民に言いました。
「嘘つけ。人を殺したうえに我々に濡れ衣を着せるのか?」
別の男が言いました。
袁春望(えんしゅんぼう)は刀で威嚇しました。
その時、弘昼(こうちゅう)と兵士たちがやって来ました。
袁春望(えんしゅんぼう)は和親王(わしんのう)に挨拶しました。
「嫻妃(かんひ)様。お怪我はありませんか?」
弘昼(こうちゅう)は嫻妃(かんひ)のもとへ行きました。
「首謀者は八名です。私が殺した者を除くと七名です。あの男とあの四人の男、角の二人です。」
袁春望(えんしゅんぼう)は嫻妃(かんひ)に報告しました。
「なぜ被災民でないとわかった?」
弘昼(こうちゅう)は尋ねました。
「やつらをはじめから観察していました。人にわざとぶつかったり様子が変でした。捕らえて調べるべきかと。」
袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。
弘昼(こうちゅう)は捕らえるよう命じました。
「新たな食糧を出すので並んで待つように。」
呉書来は民に言いました。
民たちは静かに並びました。
嫻妃(かんひ)は弘昼(こうちゅう)に礼を言いました。
弘昼(こうちゅう)は皇帝に報告して準備していたと嫻妃(かんひ)に言いました。
「和親王(わしんのう)。嫻妃(かんひ)様。被災民の見分け方は一目瞭然です。彼らは困難な道のりを経たので日に焼けたうえに痩せて弱っています。しかし悪党は肉づきもよく猛々しい。食糧が目当てなのです。街のごろつきやならず者、雇われた者までいます。奴らのせいで被災民が困窮します。そうなればいずれ深刻な騒ぎ(反乱)が起きます。」
袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。
弘昼(こうちゅう)は酷い奴らだと思いました。
城壁の内側。
高貴妃(こうきひ)に連行されて来た祖父と孫は見世物の練習をしていました。
太監はその家族を鞭で叩くとひと月以内に技を習得するよう命じました。
祖父は孫に、本番では鉄を使うのでしっかりやるよう言いました。孫は家に帰りたいと言って泣きました。
瓔珞(えいらく)は祖父から事情を尋ねました。祖父は万紫千紅の稽古をさせられていて皇帝や皇后の誕辰で披露するので逃げられないと言いました。
「万紫千紅は民の娯楽よ。それが後宮に入ると高官の娯楽となり貢物になる。代々苦しみは続く。」
瓔珞(えいらく)はそう言うと、祖父に逃げる方法を囁きました。
錦繍(きんしゅう)は瓔珞(えいらく)を監視していました。
地安門。
「今日の食糧はもうありません。十歳以下と六十歳以上の者以外は配給所の設営を手伝いなさい。」
嫻妃(かんひ)は民に言いました。民はなぜだと怒りました。
「直隷や山東の水害で被災民が殺到しています。食糧は紫禁城や貴族の厚意で本当に困っている人に与える物です。これらの粥と饅頭は民が地を耕し苦労して得た物です。米一粒でさえ貴重です。貰えて当たり前の物ではありません。皆さんにはねだる資格が無いのです。自らの努力で得た食糧こそ自分の物なので奪われることはありません。子どもと老人、弱者には無償で与えます。それ以外の者は働くように。」
嫻妃(かんひ)は厳しく言いました。
弘昼(こうちゅう)はもっと穏やかに言ったほうがよいと助言しました。
民はまた騒ぎ出しました。
「よく聞け。我々は八つの配給所と避難所を設置する。手伝える者は申し出よ。人数分の食糧を与える。腹が満たされ力が出たら明日の食糧のために働くのだ。働かない者には米一粒与えぬ。」
袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。
暴漢に殴られた呉書来は顔に赤いあざを作ったまま様子を観察していました。
弘昼(こうちゅう)は民に労働と引き換えに食糧を与えた前例が無いと嫻妃(かんひ)に言いました。
嫻妃(かんひ)は天災は誰のせいでもないが衣食を催促する民に無償で施せばありがたみがないと言い返しました。
あらくれ者たちは帰り始めました。
「和親王(わしんのう)。ご覧ください。」
袁春望(えんしゅんぼう)は指さしました。
被災者の親子が列に並んでいました。
「無償では被災してもしなくても貰いに来るけど、労働と引き換えなら偽の被災者はもう来ないわ。飢えねば食べるために働こうとしない。珍児(ちんじ)。老人と子どもを並ばせて粥を配りなさい。」
嫻妃(かんひ)は言いました。
弘昼(こうちゅう)は納得すると微笑みました。
再び配給がはじまりました。
「米一斗は恩。米一担は仇。無償だと人はダメになる。助けを求めるならまずは自らを助けねば。食糧は最も必要な人にだけ渡すの。でも被災民は弱っているわ。侍医の診察と治療が必要よ。」
嫻妃(かんひ)は弘昼(こうちゅう)に言いました。
弘昼(こうちゅう)はやる気を出すと立ち上がり、医療の救済を引き受けました。
嫻妃(かんひ)は呉書来(ごしょらい)の隣に立つ袁春望(えんしゅんぼう)について尋ねました。
呉書来(ごしょらい)は「この者はただのおまる洗いです」と答えました。
「嫻妃(かんひ)様。私は辛者庫(しんじゃこ)の者でございます。」
袁春望(えんしゅんぼう)は挨拶しました。
「英雄出自を問わず。辛者庫(しんじゃこ)の管事が足りないの。あなたにお願いするわ。」
嫻妃(かんひ)は命じました。
「嫻妃(かんひ)様!有難き幸せにございます!」
袁春望(えんしゅんぼう)は土下座しました。
長春宮。
傅恒(ふこう)は庭で右往左往しながら皇后の目覚めを待ちました。
時が過ぎ、傅恒(ふこう)は欄干に腰かけ居眠りをしていました。
爾晴(じせい)は傅恒(ふこう)に布を掛けようとすると、傅恒(ふこう)は目覚めました。傅恒(ふこう)は布を脇に置いて帰ろうとしました。
「富察侍衛(しえい)。実は祖父から聞きました。私たちの縁談を。」
爾晴(じせい)は言いました。
「私には想い人がいる。」
傅恒(ふこう)は言いました。
「陛下から賜った縁談だというのに断れますか?」
「爾晴(じせい)。想い人に出会わなければ従っただろう。だが今はあなたを娶る気になれぬ。」
「瓔珞(えいらく)はあなたを想っていない。それでもよいのですか?」
「爾晴(じせい)。あなたを想ってくれる男が現れるはずだ。それは私ではない。すまない。」
傅恒(ふこう)は去りました。
爾晴(じせい)はみじめな気持ちになりました。
部屋の中。
純妃(じゅんひ)は皇后の手を揉みました。
「爾晴(じせい)。以前賜った枕薬はあるかしら?」
純妃(じゅんひ)は爾晴(じせい)に尋ねました。
爾晴(じせい)は放心していましたが、我に返りました。
純妃(じゅんひ)は眠り薬を気付け薬として使いたいと言いました。
爾晴(じせい)は動揺して枕を落としてしまいました。
琥珀は傅恒(ふこう)が瓔珞(えいらく)に夢中で縁談を断ったのだと言ってしまいました。
「何ですって?陛下があなたと、富察侍衛(しえい)との縁談を取り持ったですって?」
純妃(じゅんひ)は茶碗を地面に落として割ってしまいました。
純妃(じゅんひ)は恐ろしい表情で爾晴(じせい)の手首を掴みました。
「琥珀が勝手に言ったことです。」
爾晴(じせい)は怯えながら釈明しました。
「かけらは危ないわ。気を付けて。」
純妃(じゅんひ)は言いました。
「気を付けます。」
爾晴(じせい)は純妃(じゅんひ)のただならぬ様子に驚きました。
「以前、皇后様はおっしゃった。お前と明玉(めいぎょく)に縁談を捜さねばと。まさか陛下が皇后様より急いでいたなんて。」
純妃(じゅんひ)は言いました。
「瓔珞(えいらく)のせいです。富察侍衛(しえい)の心を奪わなければ良縁だったのに。」
琥珀は言いました。
「琥珀。言い過ぎよ。富察侍衛(しえい)が瓔珞(えいらく)を好きなことは誰もが知っている。私では無理だったのよ。」
爾晴(じせい)は言いました。
「本当に残念だわ。」
純妃(じゅんひ)は爾晴(じせい)に背を向けたままつぶやきました。その表情が醜く歪んでいました。
承乾門。
女官(錦繍)は門の下に手紙を置きました。
辛者庫(しんじゃこ)の女官部屋。
袁春望(えんしゅんぼう)が様子を見に来ると瓔珞(えいらく)は寝たふりをしていました。袁春望(えんしゅんぼう)が静かに去ると、瓔珞(えいらく)は目を開けました。
錦繍(きんしゅう)は袁春望(えんしゅんぼう)とすれ違いました。錦繍(きんしゅう)の様子が変でした。
承乾宮。
嫻妃(かんひ)は珍児(ちんじ)に密告状を見せられました。
「私が後宮を仕切ってからは密告状の山だ。」
嫻妃(かんひ)は無視しようとしました。
珍児(ちんじ)は嫻妃(かんひ)に囁きました。
嫻妃(かんひ)は「蝉をとらえる蟷螂(とうろう=カマキリ)を鶸(ひわ=ヒワ系の野鳥)が狙う。」と言って事が起きるまで待つことに決めました。
儲秀宮(ちょしゅうきゅう)。
高貴妃(こうきひ)は民が嫻妃(かんひ)を褒めたたえていることが気に入りませんでした。
「私も毎年冬に施しを与えているのに民の眼中に嫻妃(かんひ)しかないなんて。私の施しは台無しよ!」
高貴妃(こうきひ)は怒りました。
舒貴人(じょきじん)は高貴妃(こうきひ)を慰めました。
高貴妃(こうきひ)は今年の誕辰の宴で万紫千紅を演じさせることで優位に立とうとしていました。
高貴妃(こうきひ)は今夜準備するよう命じると、芝蘭(しらん)が逃亡を企てた4人が殺されたと言いました。
「4名?40人だろうと400人だろうと惜しくないわ。結果が出せればいいの。」
夜の養心殿。
乾隆帝は嫻妃(かんひ)と話していました。
嫻妃(かんひ)は和親王が来てくれたので助かったと言いました。
乾隆帝は堅物も嫻妃(かんひ)を褒めていたと感心しました。
嫻妃(かんひ)は水害の治水工事をしている高斌(こうひん)を褒めました。
「嫻妃(かんひ)。明らかに高貴妃(こうきひ)の妨害と知りながら高斌(こうひん)を褒めるのか?」
「高貴妃(こうきひ)とは誤解もありますが後宮の些細な事は政治とは関係がありません。高貴妃(こうきひ)は皇太后様と陛下に忠実です。皇太后様の誕辰祭に高貴妃(こうきひ)は芸人を招いて万紫千紅を披露なさるとか。今夜稽古があるので見に行かれては?私も見物したいです。」
嫻妃(かんひ)は言いました。
乾隆帝は李玉(りぎょく)に稽古場の場所を調べるよう命じました。
稽古場。
高貴妃(こうきひ)がいるところに乾隆帝と嫻妃(かんひ)が現れました。
高貴妃(こうきひ)は皇帝を迎え、皇太后の誕辰での自信を見せました。
感想
瓔珞(えいらく)31話の感想です。お妃たちの思惑が入り乱れ、面白いことになってきましたね。富察皇后(ふちゃこうごう)は意識が無いようです。一体誰が蝙蝠を放ったのかまだ謎が残っています。そして嫻妃(かんひ)の名声はますます高まる一方です。しかし純妃(じゅんひ)はそのことについては気にしていないのか嫉妬しているような場面がありません。それよりも純妃(じゅんひ)が強く反応したのは富察傅恒(フチャふこう)についてです。傅恒(ふこう)と爾晴(じせい)の縁談がいつの間にかまとまっていたようですね!?どのような経緯でこうなったのかわかりませんが、場面がカットされていたのかもしれません。皇帝は傅恒(ふこう)が瓔珞(えいらく)を想っていることを知っていたはずなのに。
腕の立つ袁春望(えんしゅんぼう)。彼は一体何者なのでしょうか!?といっても武器も持たない大男を斬り殺して抜け目のない観察眼で分析しただけですが。でもこの細かい観察力といいますか、そういうところは現代中国が推してる文化でもあるような気がします。どうやら男たちは高貴妃(こうきひ)に雇われたと白状したようですね。
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