瓔珞(えいらく)11話
目次
あらすじ
富察皇后(ふちゃこうごう)は懐妊中の愉貴人(ゆきじん)に長春宮に遊びに来るよう言いました。皇后と貴人が御花園の道を歩いていると、高貴妃(こうきひ)が嘉嬪(かひん)とともに犬の雪球(せつきゅう)をかわいがっていました。愉貴人(ゆきじん)は悪女たちがるだけで錯乱しました。皇后は愉貴人(ゆきじん)に帰るよう配慮しましたが、高貴妃(こうきひ)は愉貴人(ゆきじん)を見つけて呼び止めました。
愉貴人(ゆきじん)は震える手を上げて貴妃に挨拶しました。貴人付きの太監がわざと犬を放ちました。犬は愉貴人(ゆきじん)にじゃれつこうとしました。怯えた愉貴人(ゆきじん)は混乱しました。皇后の命令で魏瓔珞(ぎえいらく)は犬を蹴りました。犬の身体が傷ついたので、高貴妃(こうきひ)は瓔珞(えいらく)に命でもって償うよう命じました。
「高貴妃(こうきひ)様のために蹴ったのです。愉貴人(ゆきじん)は陛下のお子を身籠っておられます。万一愉貴人(ゆきじん)のお体が傷つけば貴妃様が皇子様を傷つけたという噂が立つかもしれません。噂は侮れません。いわれのない噂から貴妃様をお守りするために犬を蹴ったまでです。すべては貴妃様のためです。」
瓔珞(えいらく)は弁明しました。
「なぜ突然犬が暴れ出したのでしょうか。犬を調べてちょうだい。病気かもしれないわ。」
富察皇后(ふちゃこうごう)は明玉(めいぎょく)に命じました。
明玉(めいぎょく)が調べると他に異常は見られませんでした。
嘉嬪(かひん)は「犬は悪党に噛みつくものです」と嫌味を言いました。
愉貴人(ゆきじん)は嘉嬪(かひん)の言葉に怯えました。
瓔珞(えいらく)は愉貴人(ゆきじん)の前に立ち、貴人を守りました。
愉貴人(ゆきじん)は永和宮に帰ることを赦されました。
「瓔珞(えいらく)の言う通り、あなたの愛犬が愉貴人(ゆきじん)を傷つければそれをきっかけに騒ぎが起きるわ。周囲の者の教育に気を付けるべきね。犬一匹に振り回されるような役立たずが災いのもとになれば看過できないわ。」
富察皇后(ふちゃこうごう)は優雅に言うと、帰りました。
儲秀宮(ちょしゅうきゅう)。
高貴妃(こうきひ)は嘉嬪(かひん)に「どのように落とし前をつけるのだ」と言いました。嘉嬪(かひん)は皇帝の関心を引けない第四皇子を守れるのは高貴妃(こうきひ)様だけですと釈明ました。高貴妃(こうきひ)は嘉嬪(かひん)の頬を力いっぱい叩きました。嘉嬪(かひん)は懐妊中に愉貴人(ゆきじん)を叩いておかないと皇子が生まれたら間に合わないと高貴妃(こうきひ)に言いました。
嘉嬪(かひん)は自ら愉貴人(ゆきじん)を追い詰めると高貴妃(こうきひ)に約束しました。
永和宮。
瓔珞(えいらく)は横になっている愉貴人(ゆきじん)に話しかけました。瓔珞(えいらく)は皇后から真珠粉という安眠薬を預かっていました。侍女の芳草(ほうそう)は愉貴人(ゆきじん)に皇后から賜った真珠粉のスープを飲ませようとしました。
「芳草(ほうそう)。その粉は何なの?ご覧ください。真珠粉の色は純白です。芳草(ほうそう)の爪に詰まった粉は黄色でまったく違う色です。」
瓔珞(えいらく)は芳草(ほうそう)の手についている粉を見逃しませんでした。
「芳草(ほうそう)。私の薬に何を入れたの?」
愉貴人(ゆきじん)は尋ねました。
芳草(ほうそう)は真珠粉だと答えました。
瓔珞(えいらく)は愉貴人(ゆきじん)が持っている真珠粉の薬を潰して確かめるとそれは偽物で太陽の光を反射して光りました。
「病の母を養うお金がなく薬をすり替えたのです。皇后様の真珠粉を売って銀子に換えました。」
芳草(ほうそう)は泣きながら土下座しました。
愉貴人(ゆきじん)は芳草(ほうそう)を赦そうとしましたが、瓔珞(えいらく)は見逃しませんでした。
瓔珞(えいらく)は薬に混ぜ物がしてあることに気が付きました。
ついに芳草(ほうそう)は泣きながら嘉嬪(かひん)に命じられたと白状しました。
「嘉嬪(かひん)様はおっしゃいました。愉貴人(ゆきじん)は寵愛されず皇子を産んでも奴婢は冷遇される。計画がうまくいけば嘉嬪(かひん)様は私を儲秀宮(ちょしゅうきゅう)に移してくれるとおっしゃいました。」
芳草(ほうそう)は白状しました。
丸薬の表面に付いていた染料の黄色い粉には毒が含まれていました。
瓔珞(えいらく)は愉貴人(ゆきじん)の身辺情報が芳草(ほうそう)を通じて高貴妃(こうきひ)側に漏れていたことを言い当てました。
しかしこのままでは嘉嬪(かひん)が狼藉を働いたという証拠がありません。
「この裏切り者を手元に残し毒を服用しているよう見せかけるのです。半月後、嘉嬪(かひん)に追加の粉を届けてもらうようお願いしなさい。」
瓔珞(えいらく)は策を講じました。
通路。
糞尿を入れた壺を荷台に乗せて運んでいた袁春望(えんしゅんぼう)は同僚からいじめられていました。袁春望(えんしゅんぼう)は嘉嬪(かひん)の密貿易に手を貸し上司の趙太監(ちょうたいかん)に裏切られて慎刑司(しんけいし)で板打ち100回の挙句左遷されたのでした。袁春望(えんしゅんぼう)が怒ると役人は肥溜めの中身を通路にぶちまけました。袁春望(えんしゅんぼう)は役人たちに蹴られて屈辱を味わいました。
夜の食堂。
袁春望(えんしゅんぼう)が食事に戻ると同僚たちは飯を食べ終え食事が残っていませんでした。
「さあお食べ。よしよし。」
役人は犬の雪球(せつきゅう)に上等の肉を与えました。
腹が減った袁春望(えんしゅんぼう)は犬の食事を盗みました。犬が吠えると袁春望(えんしゅんぼう)は走って逃げました。
袁春望(えんしゅんぼう)はみじめな気持ちになりながら盗んだ肉を隠れて食べました。
日中の長春宮。
瓔珞(えいらく)が茉莉花に水を与えていると役人たちが大きな荷物を運びこみました。
乾隆帝と富察皇后(ふちゃこうごう)が部屋から出て来ました。
役人は貢物が届いたと報告しました。
乾隆帝が開けろと命じると、大きな「三月紅という茘枝(レイシ)の早生品種の木」が露わになりました。
「長安回望(かいぼう)すれば繍堆(しゅうたい)となり山頂の千門、次第に開く。一騎の紅塵に妃子笑み、茘枝(レイシ)の来たるを知るなし。楊貴妃の時代には馬で茘枝(レイシ)の実を運び今は木ごと運ぶのですか?」
皇后はたいへん喜ぶと詩を引用しました。
乾隆帝は産地の福建から陸路で運べば味も香りも落ちるから土もろとも木桶にうつして水路で運んできたのでちょうど食べごろだと言いました。
皇后は茶会を催したかったので喜びました。
明玉(めいぎょく)は木の世話係になりたいと言いました。
皇后は瓔珞(えいらく)に茘枝(レイシ)の世話を命じると、瓔珞(えいらく)は固辞しました。しかし皇后は爾晴(じせい)は忙しいので瓔珞(えいらく)に世話を任せました。
乾隆帝はしばし瓔珞(えいらく)を観察していました。
明玉(めいぎょく)は瓔珞(えいらく)に嫉妬しました。
瓔珞(えいらく)は茘枝(レイシ)の木を詳しく観察しました。
「茘枝(レイシ)の実は何個あるの?」
瓔珞(えいらく)は呉書来(ごしょらい)に尋ねました。
呉書来は「895個でしたが途中で実がいくつか落ちてしまったので今の数はわからない」と答えました。
「貴重な木ですから厳しく管理しないと。数が合ないとたいへんよ。」
瓔珞(えいらく)は実が48個あると指摘し呉総管にも数えて確認するように言いました。
呉総管は部下に茘枝(レイシ)の実の数を数えるように命じました。
「見なさい。瓔珞(えいらく)はすぐに仕事をはじめたわ。あなたより重用されて当然よ。」
爾晴(じせい)は明玉(めいぎょく)に言いました。
儲秀宮(ちょしゅうきゅう)。
嘉嬪(かひん)の侍女の阿双(あそう)は愉貴人(ゆきじん)が犬の件以来悪夢にうなされ腰痛を患い怯えていると主人に報告しました。
嘉嬪(かひん)は愉貴人(ゆきじん)が怯えるのも当然だと言いました。
高貴妃(こうきひ)は話を聞いて愉快になりました。
阿双(あそう)は追加の真珠粉を芳草(ほうそう)に届けると言いました。
嘉嬪(かひん)は腰痛について情報を求めると、阿双(あそう)は張院判(ちょういんはん)が診断されて安胎薬とより多くの真珠粉を処方されたと報告しました。
嘉嬪(かひん)はは阿双(あそう)に茶会の日に薬を渡すよう命じました。
長春宮。
女官の珍珠(ちんじゅ)はおいしそうな茘枝(レイシ)の実を見て今すぐ摘みたいと瓔珞(えいらく)に言いました。
瓔珞(えいらく)は茶会の席には思う存分食せれば良いと言いました。瓔珞(えいらく)は珍珠(ちんじゅ)に仕事に戻るよう命じました。次に意地悪をした女官が謝りたくて瓔珞(えいらく)のところに戻って来ました。女官は「明日、嘉嬪(かひん)様が貝殻の粉を届ける」と言いました。瓔珞(えいらく)は命じたこと以外はやらないよう女官に命じました。
夜。
頴貴人(えいきじん)に追い返された嫻妃(かんひ)ホイファナラ氏と侍女珍児(ちんじ)。珍児(ちんじ)は「頴貴人(えいきじん)は以前お金を工面していた恩を忘れた」と言って腹を立てていました。そこに純妃(じゅんひ)蘇氏(そし)が現れました。
純妃(じゅんひ)は嫻妃(かんひ)の部屋に行くと助けてあげると言いました。
「私は高貴妃(こうきひ)様と違い嫻妃(かんひ)様を陥れたりしません。」
純妃(じゅんひ)は優しく言いました。
「しかしこの銀子を受け取れば私は立場を失う。皇后様の側についてしまう。」
嫻妃(かんひ)は言いました。
純妃(じゅんひ)は皇后の側につくことは悪いことではないと言いました。
嫻妃(かんひ)はいったん争いに巻き込まれたら誰かが傷つくとためらいました。しかし嫻妃(かんひ)は弟の常寿(じょうしゅ)のために借りた銀子を三倍にして返すと言いました。
純妃(じゅんひ)は「お貸しするのは銀子ではなく情なのです。それがお嫌なら帰ります。」と言いました。
嫻妃(かんひ)はお金ではなく情を貸すことを拒否すると、純妃(じゅんひ)はお金を持って帰りました。
純妃(じゅんひ)は玉壺(ぎょくこ)を連れて、次に皇后の宮に行きました。
茶会の日。
富察皇后(ふちゃこうごう)は茶会を主催しました。何人もの妃が皇后に挨拶しました。
皇后は茘枝(レイシ)の実を紹介しました。
「私には一粒もくれず皇后様には木を?」
高貴妃(こうきひ)は嫉妬しました。
皇后はまずは清菊飲という飲み物を皆にすすめました。
犬が勝手に走り出しました。
嘉嬪(かひん)は犬を膝に乗せました。
庭。
阿双(あそう)が芳草(ほうそう)に真珠粉を渡していました。
そこに瓔珞(えいらく)が現れました。
阿双(あそう)は余裕のある態度で「これは嘉嬪(かひん)様がお作りになった手縫いの袋で名かにあるのは香草よ」と言いました。
瓔珞(えいらく)は中身を確かめると確かに香草が入っていました。
阿双(あそう)は瓔珞(えいらく)に謝罪を要求しました。
瓔珞(えいらく)は役人を連れて去りました。
阿双(あそう)は「裏切り者」と言って芳草(ほうそう)の頬を叩きました。
瓔珞(えいらく)は芳草(ほうそう)が裏切っていると知りながらなぜ阿双(あそう)が会っていたのか考えました。瓔珞(えいらく)はハッとして駆け出しました。
茶会の席。
犬が勝手に走り出し高貴妃(こうきひ)の傍に行きました。嘉嬪(かひん)は高貴妃(こうきひ)の耳に囁きました。
感想
瓔珞(えいらく)11話の感想です。要点をまとめると、愉貴人(ゆきじん)を殺したい高貴妃(こうきひ)と嘉嬪(かひん)が手を組み今度は犬を使って愉貴人(ゆきじん)を怖がらせました。愉貴人(ゆきじん)の侍女芳草(ほうそう)は嘉嬪(かひん)の侍女、阿双(あそう)から毒入りの真珠粉を貰って貴人に飲ませていたのです。その結果、愉貴人(ゆきじん)が徐々に毒に冒され激しい腰の痛みが生じるようになりました。万死に値する罪を犯した芳草(ほうそう)。瓔珞(えいらく)はこのことを突き止め嘉嬪(かひん)を騙そうとしましたが、ずる賢い嘉嬪(かひん)は瓔珞(えいらく)の策を予想していました。
純妃(じゅんひ)は嫻妃(かんひ)を懐柔しようとしていましたが、嫻妃(かんひ)はお金と引き換えに派閥に入ることを拒否しました。それでも嫻妃(かんひ)は弟を助けるために他の妃にお金を借りに行きましたが断られてしまいました。
もしも嫻妃(かんひ)が本当に清廉潔白ならば形見を売ろうとしたり、お金を借りに行くことはしないはずです。嫻妃(かんひ)の行動は理性を失っており、精神的に動揺した状態であるといえましょう。
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