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瓔珞(えいらく)最終回70話 あらすじと感想 来世への誓い 傅恒(ふこう)は瓔珞(えいらく)を助けるため瘴気に犯され...中国ドラ

瓔珞(えいらく)最終回70話 来世への誓い

瓔珞(えいらく)70話 のあらすじと感想

目次

あらすじ

乾隆帝暗殺に失敗した和親王弘昼(こうちゅう)と嫻皇后(かんこうごう)。嫻皇后(かんこうごう)は騒乱の最中少しでも私の心配をしてくれたのかと皇帝に尋ねました。皇太后は皇后に下がって休むように言いました。珍児(ちんじ)も皇后に休んで欲しいと頼みました。

「私をご覧ください。髪は乱れ化粧は落ちてしまっています。赤く腫れたこの手は火の中に飛び込んだ証拠です。やけどを負って傷跡が残ろうと少しも痛くありません!夫を救うためだからです。あなたと生死を共にするつもりでした。この女(瓔珞)こそが謀反人なのです!陛下はご自分をお守りになるべきなのに侍衛(しえい)全員にこの女を守らせました。この女は陛下のために何もしませんでした。陛下を愛していません。愛するのは己のためだけ。何度も陛下を利用して来ました。陛下を愛さぬ者を大切になさるなんて!あなたは愚か者よ!違う。愚かなのは私。私は最も愚かで間抜けよ。」

嫻皇后(かんこうごう)は皇帝に訴えました。

瓔珞(えいらく)はあまりの痛々しさに目を伏せました。

弘昼(こうちゅう)は皇后に同情しました。

「皇后を連れて行け。」

乾隆帝は命じました。

「近寄るな!」

嫻皇后(かんこうごう)は懐刀を抜きました。

「何をするつもり?」

皇太后は驚きました。

「正気を失ったか。」

乾隆帝はつぶやきました。

「富察容音は陛下よりも自由を愛し、高貴妃(こうきひ)は高家を優先しました。純妃(じゅんひ)の心に陛下はおらず他の妃嬪(ひひん)たちは富に群がっているだけ!紫禁城で唯一私だけが陛下を想っているのよ!」

嫻皇后(かんこうごう)は叫びました。

「杭州の軍を手紙ひとつで動かしたくせに心を尽くしているだと?」

乾隆帝は言いました。

「杭州の軍だけではないわ。同行している江南の役人も私の手の者たちです。お父さまの死で権勢の大切さを実感し年月をかけて皇族や大臣や役人の秘密を調べさせました。不正を働き法を犯した者たちは皆私を恐れて従うほかなかったのです。陛下が崩御なさった後は私が第二の孝荘文皇后(こうそんぶんこうごう)になるつもりでした。」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「あなたは大逆罪に値するわ。後宮は政治に干渉してはならないわ。」

皇太后は言いました。

「自分を守るためです!」

嫻皇后(かんこうごう)は言いました。

「輝発那拉(ホイファナラ)氏よ。ついに認めたな。」

乾隆帝は言いました。

「あなたを殺す機会はいくらでもあった。いつも声がささやくのです。殺せ。殺せと。でもできなかったのです。心が赦さなかったのです。夫を殺せなかった。愛しているから傷つけられなかった。」

「短剣を捨てよ。」

「あなたは私がこの女(瓔珞)を傷つけるとでも?」

「誰よりも憎いのは愛新覚羅(アイシンギョロ)弘暦(こうれき)。あなたが憎い。憎いわ。」

嫻皇后(かんこうごう)は自分の髪を切りました。

その場にいた全員がそれを見て驚愕しました。

「皇后様!満州族は国葬でのみ髪を切るしきたりです。」

舒妃(じょひ)納蘭(ナーラン)氏は言いました。

「皇后様は正気を失っているわ!」

慶妃(けいひ)は叫びました。

「私を呪うために髪を切ったの?それとも弘暦(こうれき)を呪うため?」

皇太后は怒鳴りました。

「皇后。己を見失い勝手なことをしでかした。紫禁城に送り返せ。」

乾隆帝は命じました。

嫻皇后(かんこうごう)は泣き笑いながら連れ出されました。

袁春望(えんしゅんぼう)はこらえていました。

「陛下。悪いのは私です。皇后を責めないでください。」

弘昼(こうちゅう)は兄に頼みました。

「連れて行け。」

乾隆帝は命じました。

「私はどんな罰でも受けます。」

弘昼(こうちゅう)も連行されました。

「袁春望(えんしゅんぼう)!」

玉壺(ぎょくこ)は落ちていた小刀を拾って袁春望(えんしゅんぼう)に突進しました。

「不届きな奴め。陛下の前で狼藉を働く気か。」

袁春望(えんしゅんぼう)はわざとらしく言うと珍児(ちんじ)を刺し殺しました。

妃嬪(ひひん)たちは目を背けました。

「嘘つき。十数年間私を騙していたのね。」

玉壺(ぎょくこ)は言いました。

「愚か者め。」

袁春望(えんしゅんぼう)が言うと玉壺(ぎょくこ)は死にました。

侍衛(しえい)は玉壺(ぎょくこ)を運び出しました。

瓔珞(えいらく)は袁春望(えんしゅんぼう)の仕打ちに対し怒りを隠せませんでした。

「陛下。あの者たちは正気を失っています。私は皇后様に脅され悪の限りを尽くしてまいりました。私めは罪を功で償うために不正を働いた善撲営の役人を明らかにいたします。陛下。どうか私めの命だけはお取りにならないでください。」

袁春望(えんしゅんぼう)は土下座しました。

「裏で糸を引いた黒幕のくせに皇后様に脅されたですって?何という恥知らずなの!」

瓔珞(えいらく)は怒りました。

「瓔珞(えいらく)。この太監がすべてを企てていたというの?」

皇太后は尋ねました。

「最近になってあなたの昔話を思い出していたわ。」

瓔珞(えいらく)は言いました

過去。

「父は数え切れぬほどの使用人を召し抱えていた。目の前にいるのが己の子とも気づかぬ。私には兄弟と同じように高貴な血が流れている。なぜ私だけこのような身の上なんだ。」

袁春望(えんしゅんぼう)が瓔珞(えいらく)に語る場面。


「当時は私も傷を負っていたため深く考えることはなかったわ。この前、あなたの故郷の太行山に人を遣わしたの。」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「太行山?皆下がりなさい。出て行って。」

皇太后は人払いを命じました。

乾隆帝は皆を下がらせました。

「瓔珞(えいらく)。この者の正体は?」

皇太后は尋ねました。

「皇太后。地元の人によれば銭氏が匪賊を引き付け雍正帝は農家に身を隠したそうです。袁春望(えんしゅんぼう)はその農家の娘が生んだ子です。」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「令貴妃(れいきひ)様。何をおっしゃるのでしょうか。」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

「小全子(しょうぜんし)は夜も眠らず馬を走らせ今日船に戻って来たわ。証人を連れてね。会いたいかしら?」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「魏瓔珞(ぎえいらく)。」

袁春望(えんしゅんぼう)はつぶやきました。

「皇太后。袁春望(えんしゅんぼう)は愛新覚羅(アイシンギョロ)家の子孫と称し廉親王(れんしんのう)の企みで皇宮に送り込まれました。和親王に謀反を唆し皇后様を追い詰めたのは皇太后と陛下を殺すため。成功すれば和親王を裏切り親王を犯人に仕立てたはずです。そうすれば陛下、皇太后、和親王ら皆を殺すことができます。」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「太監の分際で大した度胸だ。よくも朕の弟を騙したな。」

乾隆帝は言いました。

「陛下にとって和親王はどのような存在ですか?弘暦(こうれき)。お前たちが富と権力と地位を独占していた時、私は何をしていたか。肥桶洗いだ!!!どういう意味かわかるな。紫禁城で最も卑しい存在だった。毎日肥桶と糞尿を運ばされた。弘暦(こうれき)。教えてくれ。なぜお前たちは栄華を極め私は屈辱を味わわねばならぬのだ!」

袁春望(えんしゅんぼう)は帽子を脱ぎ捨てました。

「永琪(えいき)は関係ないでしょ?袁春望(えんしゅんぼう)。どうして治療に使う虫をすり替えたの?」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「あれは緬甸(めんでん)の埋葬虫(しでむし)だ。死体を血や肉を食らうと毒を出す。お前は勇気があるな。永琪(えいき)を救い己を犠牲にした。陛下にその手を見せて見ろ。手を出せよ。」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

乾隆帝は瓔珞(えいらく)の手を見ました。

「袁春望(えんしゅんぼう)。解毒薬は?」

乾隆帝は尋ねました。

袁春望(えんしゅんぼう)は治せる薬は無いと答えました。

「魏瓔珞(ぎえいらく)。ずっと円明園で私と生涯を共にすると誓ったな。お前が誓いを破りたくても私が赦さぬ。」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

「李玉(りぎょく)!葉天士を呼べ。そなたはなぜ黙っていたのだ。」

乾隆帝は瓔珞(えいらく)に尋ねました。

瓔珞(えいらく)は首を横に振りました。

「先帝には隠し子などいなかった。あの者は愛新覚羅(アイシンギョロ)家の子孫ではないわ。」

皇太后は言いました。

「嘘つけ。」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

「先帝に隠し子がいたかどうか私が知らぬと思うか。愛新覚羅(アイシンギョロ)家の者と言うなら証拠を見せなさい。」

皇太后は言いました。

「雍正帝は祖父の家で休み典礼で着る衣を残した。確かな証拠だ。」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

「フン。銭氏は当時先帝の衣をまとい匪賊を引き付けた。絹で作られた衣はとても貴重な品よ。匪賊が見逃すとでも?混乱に乗じて先帝が農家の嫁を汚したかどうか誰にもわからないわ。」

皇太后は言いました。

「お前は嘘つけ。私は雍正帝(ようせいてい)の息子だ。私を騙すな!」

袁春望(えんしゅんぼう)は言いました。

「本当ならお前は他の者と同じように妻を娶り子をなせたわ。だがつまらぬ嘘を信じたために紫禁城に来た。そして自ら身を落としたの。お前の恨みは深いわ。だけど恨む相手を間違えたようね。先帝はお前の父ではない。陛下も、お前の兄ではない。お前がしたことはすべて無駄だったのよ。哀れな。なんと哀れな子かしら。」

皇太后は言いました。

「違う!哀れと思うな!私は間違っていない。嘘つきめ。私を騙すつもりか!」

袁春望(えんしゅんぼう)は叫びました。

乾隆帝は袁春望(えんしゅんぼう)を突き飛ばしました。

袁春望(えんしゅんぼう)は床に仰向けに倒れて頭を押さえました。

「みんな、死んじまえ!」

袁春望(えんしゅんぼう)は目の玉をむきだして恨みました。

「この者を肉削ぎにしろ。」

乾隆帝が命じると皇太后は目を丸くしました。

「待ちなさい。殺してはダメ。」

皇太后は言いました。

「皇太后。皇族を騙った罪は赦されぬ。」

乾隆帝は言いました。

「陛下。母の頼みを聞いてちょうだい。」

皇太后は言いました。

乾隆帝は袁春望(えんしゅんぼう)を連れ出すよう命じました。

「私は愛新覚羅(アイシンギョロ)家の子孫だ!」

袁春望(えんしゅんぼう)は叫びました。

「命令だ。急ぎ都に戻り侍医に診せろ。」

乾隆帝は瓔珞(えいらく)の手を取りました。

紫禁城。

瓔珞(えいらく)は寝台に寝ていました。診察した葉天士は首を横に振りました。

「信じぬ。必ず治せるはずだ。そうだろ?」

乾隆帝は言いました。

「陛下。手は尽くしましたが・・・。」

葉天士は謝りました。

「朕は聞きたくない。」

「陛下。葉侍医が可哀そうです。」

瓔珞(えいらく)は青白い顔で言いました。

乾隆帝は李玉(りぎょく)に埋葬虫の治療法を傅恒(ふこう)から聞いたか尋ねました。

李玉(りぎょく)はまだ知らせは届いていないと答えました。

乾隆帝は皆を下がらせました。

「永琪(えいき)を救うためにそなたが傷ついた。朕は何を間違えたのだ。これは天罰だ。周りにいる者たちが次々と離れて行く。」

「私は陛下のおそばにいます。」

「その先は?」

乾隆帝は言いました。

李玉(りぎょく)が緬甸(めんでん)からの知らせを持って来ました。

瓔珞(えいらく)は乾隆帝に仕事に戻るように促しました。

乾隆帝は涙をこらえながら瓔珞(えいらく)の手の甲に口づけをして養心殿に戻りました。

瓔珞(えいらく)は起き上がると口から血を吐きました。

すぐに珍珠(ちんじゅ)と小全子(しょうぜんし)が駆け付けました。

「珍珠(ちんじゅ)。泣いてはだめよ。あなたたちの泣いた姿を子どもたちが見たら、ごまかすのが大変なの。珍珠(ちんじゅ)。私が死んだら・・・子どもたちにこう伝えなさい。あなたたちの母は気晴らしに出かけた。子どもが邪魔だから置いて行ったと。わっかった?」

瓔珞(えいらく)は言いました。

小全子(しょうぜんし)は葉天士をすぐに連れて来ました。

葉天士は水と手巾を持ってくるように言いました。

すぐに手ぬぐいと水が運ばれまいた。

葉天士は瓔珞(えいらく)の額に手ぬぐいを乗せました。

瓔珞(えいらく)は傅恒(ふこう)に似た高貴な男の幻を見た気がしました。

男は部屋から出て行きました。

瓔珞(えいらく)は意識を失いました。

瓔珞(えいらく)が目を覚ますと海蘭察(ハイランチャ)が立っていました。

瓔珞(えいらく)は海蘭察(ハイランチャ)になぜいるのか尋ねました。

海蘭察(ハイランチャ)は緬甸(めんでん)軍から和睦の申し出があり奏状を持ち帰ったと言いました。

瓔珞(えいらく)は傅恒(ふこう)が勝って凱旋することを希望しました。

珍珠(ちんじゅ)は海蘭察(ハイランチャ)が解毒丹を持ち帰ったと言いました。

海蘭察(ハイランチャ)は聖心草から作った薬で瘴気が漂う沼地に生える草なので薬にすると埋葬虫の毒を消して美貌を保つので定顔丹とも呼ばれると説明しました。

珍珠(ちんじゅ)は喜びました。

「傅恒(ふこう)は?」

瓔珞(えいらく)は尋ねました。

「聖心草を採る際に瘴気に当たりました。無理をして軍を指揮し続けました。何度申しても聞かなかったのです。」

「海蘭察(ハイランチャ)。傅恒(ふこう)はどこにいるの?」

「傅恒(ふこう)のご遺体は、すでに紫禁城にあります。」

海蘭察(ハイランチャ)は悔しそうに言いました。

瓔珞(えいらく)は寝台から立ち上がりました。

「海蘭察(ハイランチャ)。」

「お赦しください。連れ戻せませんでした。傅恒(ふこう)は戦を退くわけにはいかなかったのです。将兵の死者は数知れず、一気に攻めなければ負けていたはずです。統帥に逃げることは赦されません。病でも勝利を求められます。令貴妃(れいきひ)。傅恒(ふこう)から最期に問いがありました。」

「言って。」

魏瓔珞(ぎえいらく)。私は生涯をかけてあなたを守り抜いた。来世では、私を守ってくれるか?突然で失礼します。令貴妃(れいきひ)のご回復を祈ります。これにて。令貴妃(れいきひ)は、陛下の最愛のおなごです。今や後宮の誰にも負けない力があります。気休めでも、傅恒(ふこう)に希望をお与えください。」

海蘭察(ハイランチャ)は部屋から出て行きました。

「珍珠(ちんじゅ)。一人にして。」

瓔珞(えいらく)は言いました。

「陛下は令貴妃(れいきひ)様を心配なさっています。」

珍珠(ちんじゅ)は下がりました。


音楽♪

「降り積もる雪に想いをめぐらす。それは夫婦の囁き。眼を開けば無情な一面の雪。青春の輝きを誰が償うのだろう。」


いいわ。約束する。

瓔珞(えいらく)は微笑みました。

侍衛(しえい)姿の富察傅恒(フチャふこう)が頬笑みました。

瓔珞(えいらく)は目を閉じました。


承乾宮。

嫻皇后(かんこうごう)は燭台の前で経を唱えていました。

炎はあと一つ残っていました。

侍女は皇后を食事に呼びました。

乾隆帝は嫻皇后(かんこうごう)の奴婢と冊書を没収し皇后の位も剥奪しました。

しかし食卓には豪華な食事が並べられていました。

「皇后様。私はかつて裕太妃(ゆうたいひ)に仕えていました。和親王様はあなた様のご無事を願っています。」

女官は言いました。

「あの人は無事に暮らしているの?」

嫻皇后(かんこうごう)は尋ねました。

「罪を犯して平穏に暮らせるかどうか・・・陛下は兄弟の情を考慮し禁足をお命じになりました。」

女官は答えました。

「よかった。和親王は何か言っていた?」

嫻皇后(かんこうごう)は頷きました。

「いいえ。」

女官は答えました。

「ありがとう。」

皇后が感謝すると女官は下がりました。

瓔珞(えいらく)が嫻皇后(かんこうごう)のもとに現れました。

「来てくれて礼を言うわ。」

嫻皇后(かんこうごう)瓔珞(えいらく)には言いました。

「私を呼んだ理由は?」

「皆が言っているわ。皇后は乱心して陛下の寵愛を失ったが令貴妃(れいきひ)の取り計らいにより気高さを保てたと。私をはからってくれた理由は?」

「皇后様が私にした仕打ちのためです。」

「あなたは悪に徳で報いるような心優しい人ではないわ。」

「皇后。辛者庫(しんじゃこ)にいた私が病で倒れた時に侍医に診せてくれました。」

「そのようなことは忘れたわ。」

「私が覚えていればそれでよいのです。これからは借り貸しはありません。他に用がなければこれで失礼します。」

「袁春望(えんしゅんぼう)の企みに気が付いていたのでしょう?賢いあなたが袁春望(えんしゅんぼう)を泳がせておいた理由はただ一つ。和親王を殺すためね。令貴妃(れいきひ)。この二十四年間、あなたは一日たりとも姉の死を忘れていなかった。弘昼(こうちゅう)の命を狙い続けて来た。弟思いの陛下が弘昼(こうちゅう)を殺すことはあり得ない。例外は・・・。」

「皇后。考え過ぎです。」

「思った通りだわ。袁春望(えんしゅんぼう)に殺されかけたのは計算違いだったはず。でもうまくいったわね。」

「もう帰ります。」

「最後に言わせて。私は陛下のお心を得られなかった。どうやって陛下に愛されたの?」

「皇后様は陛下一筋でした。それを明かす必要がありますか?先に口に出したら負けなのです。」

瓔珞(えいらく)は唇に人差し指を立てました。

「ふ・・・。バカみたい。本当にバカバカしいわ。」

嫻皇后(かんこうごう)は泣きました。


牢屋。

弘昼(こうちゅう)は投獄されていました。

海蘭察(ハイランチャ)が面会に現れました。

「和親王。陛下の御命令でお見送りに参りました。」

海蘭察(ハイランチャ)は弘昼(こうちゅう)に酒を注ぎました。

「礼を言う。」

「陛下のご恩情によりこの毒酒を飲んだ後に王府に戻ることが赦されます。」

「兄上は、私を病で死んだことにするのか?」

「和親王。どうぞ。」

「抜け目のない罠をしかけておきながら陛下は私と歓談を続けられた。ゆえに祖父上は後継者に兄上を選んだのだな。兄上はこの世で誰よりも非情だ。無慈悲な方法をお選びになる。」

弘昼(こうちゅう)は呟きました。


辛者庫(しんじゃこ)。

「福慧(ふくけい)。この兄が面白いものを見せてあげよう。やめて。取らないで。私にも少し貸して。」

袁春望(えんしゅんぼう)は肥桶に向かって話していました。

その様子を瓔珞(えいらく)と珍珠(ちんじゅ)が見ていました。

「皇太后様は袁春望(えんしゅんぼう)を殺してはならぬとおっしゃいました。なぜでしょう。袁春望(えんしゅんぼう)が皇子というのは本当なのですか?」

珍珠(ちんじゅ)は言いました。

「真実は重要ではないわ。本来の場所に戻っただけよ。」

瓔珞(えいらく)は去りました。

「お前は四つん這いになれ!私を背中に乗せろ。」

袁春望(えんしゅんぼう)は錯乱していました。


妃嬪(ひひん)たちが集まる部屋。

「私どもはご挨拶します。皇貴妃(こうきひ)様が福に恵まれますように。」

舒妃(じょひ)と慶妃(けいひ)を筆頭に八人の妃嬪(ひひん)たちと女官たちは礼装した瓔珞(えいらく)に向かって腰をかがめました。


「皇貴妃(こうきひ)となり皆に跪かれてどんな気持ちだ?」

妃たちが帰ると乾隆帝が現れました。

瓔珞(えいらく)は皇帝に挨拶しました。

「うん。ぴったりです。」

「そなたを最高の地位に引き立てた朕に何か言う事はないか?」

「ありません。」

「冷たいおなごだ。」

「陛下。冷淡な私をなぜご寵愛なさるのですか?」

「朕にもわからぬ。」

「お認めになってはどうですか?私のために時をかけすぎたため、見返りが欲しくなってのめり込んだと。」

「フン。そなたが重病でも朕は政を優先する。朕は愛など知らぬからだ。過信するな。」

「私たちは似た者同士ですね。」

瓔珞(えいらく)が言うと乾隆帝は瓔珞(えいらく)の腰を引き寄せました。

「朕の問いに答えよ。また嫌味を言ったら首を斬る。」

「陛下は政を優先するくせに私には陛下を優先しろと言うのですか?傲慢ですね。」

「魏瓔珞(ぎえいらく)。」

「陛下。先ほどのご質問ですが、今は答えません。生涯をかけて答えます。陛下。楽しみにしていてください。」

「ハハハハハハ。」

「ふふふふふ。」

二人は見つめ合いました。


完。

感想

瓔珞(えいらく)最終回70話の感想です。やっと終わりましたね!とても長かったです!もう何度も途中で見るのをやめようと思いつつ、最後まで見てしまいました。どの登場人物も残忍で乾隆帝も人を殺しまくってるし、瓔珞(えいらく)も敵討ちのために女性を殺めているし、ほんとうに酷いドラマでした。面白かったところもありましたが、残酷すぎてけっこうきつかったです。

主人公の瓔珞(えいらく)はほんとうに強い女性です。その強さには感服いたしました。あんな目やこんな目に遭えば精神が参ってしまうところを瓔珞(えいらく)は表情ひとつ変えずに戦い抜きました。

ラストに乾隆帝は瓔珞(えいらく)のことを冷淡だと言いました。明玉(めいぎょく)は瓔珞(えいらく)のことを心が温かいと言いました。

瓔珞(えいらく)は残忍な嫻皇后(かんこうごう)に対し珍しく復讐しませんでした。嫻皇后(かんこうごう)は富察皇后(ふちゃこうごう)にとどめを刺した人です。瓔珞(えいらく)は気づいていないだけかもしれません。

嫻皇后(かんこうごう)は悪運に翻弄された挙句、袁春望(えんしゅんぼう)にも騙されました。皇后も終盤ではかなり精神的に参っていたようです。

袁春望(えんしゅんぼう)も極限状態で闘っていたせいか、張り詰めていた糸が切れて認知症のような状態になってしまいましたね。こんなことってあるのかな~と思いますけど袁春望(えんしゅんぼう)は確かに雍正帝(ようせいてい)の子だったということなのでしょう。

私の希望では袁春望(えんしゅんぼう)には「実は・・・瓔珞(えいらく)一筋でお前のために和親王と皇后を排除してやったんだぞ!」と言って頬をしばかれてもらいたかったです(笑)

乾隆帝ですが、やはり最後の最期で「俺は誰も愛さぬ」と言い切りましたね。瓔珞(えいらく)も乾隆帝に対して「愛してます」とは一生言わないことを宣言しました。

瓔珞(えいらく)は嫻皇后(かんこうごう)に対し、乾隆帝に口で愛していると言ったほうが先に負けだと言いました。

今の世の中ではその逆で、先に愛の告白をしたほうが勝ちです(笑)

でもこの愛に関する価値観とでも言うのか、このくだりはとても良かったです!

最後に傅恒(ふこう)のことは残念でしたね!最後まで瓔珞(えいらく)への愛を貫いたのに、映像が無くて・・・。

それと、袁春望(えんしゅんぼう)ファンの人に期待できそうな謎を発見しましたよ!袁春望(えんしゅんぼう)の秘密に気づいたのは多分私だけかも知れません。

よかったら記事をお読みいただけると嬉しいです。

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