瓔珞(えいらく)19話 決死の大芝居
目次
あらすじ
高貴妃(こうきひ)は継母に虐げられた哀れな女性を演じると乾隆帝に抱き着きました。
乾隆帝は高貴妃(こうきひ)と床を共にしました。
富察皇后(ふちゃこうごう)はずっと皇帝の来訪を待っていましたがかわりに来たのは李玉(りぎょく)でした。李玉(りぎょく)は皇帝が儲秀宮(ちょしゅうきゅう)に行ったことを皇后に伝えました。瓔珞(えいらく)は嘘をつかなかった李玉(りぎょく)を恨みました。
翌日。
瓔珞(えいらく)は怒りのあまり木の葉を破って不満を発散していました。そこに富察傅恒(フチャふこう)がやって来ました。瓔珞(えいらく)は皇宮一の美女、高貴妃(こうきひ)のことをますます恨みました。傅恒(ふこう)は皇帝陛下が治水工事で貢献した高斌(こうひん)の顔を立てて高貴妃(こうきひ)の頼みを聞き入れたと言いました。
瓔珞(えいらく)は次に姉が殺された夜のことを傅恒(ふこう)に尋ねました。傅恒(ふこう)はあの夜の宴を中座した皇族はいなかったと答えました。
「本当ですね?わかりました。信じます。太監に分からなければ陛下の快刀に当たります。」
瓔珞(えいらく)は傅恒(ふこう)に顔を近づけました。
傅恒(ふこう)はどぎまぎしてしまいました。
養心殿。
乾隆帝の体に赤い発疹が出ました。張院判は疥癬虫に侵されたと診断し、硫黄膏と熱を下げる薬を処方をしました。
長春宮。
張院判は富察皇后(ふちゃこうごう)に皇帝の病気を知らせました。富察皇后(ふちゃこうごう)は皇帝の看病をすることに決めました。明玉(めいぎょく)は瓔珞(えいらく)に養心殿に泊り皇帝の世話をするよう命じました。爾晴(じせい)は明玉(めいぎょく)に命じたはずだと言いました。瓔珞(えいらく)は姉の手がかりが掴めると思い危険な仕事を引き受けました。爾晴(じせい)は保身をはかる明玉(めいぎょく)に「いつか誰もあなたを信じなくなる」と言って警告しました。
養心殿の前。
富察皇后(ふちゃこうごう)と瓔珞(えいらく)が門前まで行くと高貴妃(こうきひ)と純妃(じゅんひ)と嫻妃(かんひ)が皇帝の世話をしたがっていました。
「かつて疥癬にかかった私ならお世話ができると思うの。」
富察皇后(ふちゃこうごう)は言いました。
「それなら高貴妃(こうきひ)様は手柄を皇后様に奪われる心配をしなくていいですね。」
純妃(じゅんひ)は嫌味を言いました。
高貴妃(こうきひ)は帰りました。
嫻妃(かんひ)はいつでも交代しますとだけ言うと帰りました。
純妃(じゅんひ)も帰りました。
夜の養心殿。
張院判は軟膏を瓔珞(えいらく)に渡しました。
瓔珞(えいらく)は乾隆帝の体に軟膏を塗ろうとしましたが断られました。
李玉(りぎょく)が乾隆帝の肩に軟膏を塗ろうとすると乾隆帝は怒りました。
瓔珞(えいらく)は太監たちは皆不器用なので繍坊で働いていた自分か皇后様しか塗ることはできない言いました。
乾隆帝は皇后に疥癬を移したくないので瓔珞(えいらく)に軟膏を任せました。
瓔珞(えいらく)は軟膏を塗り終えると、皇帝の寝具を交換して部屋から出て行きました。
富察皇后(ふちゃこうごう)は体を掻こうとする皇帝を子を可愛がるようにあやしました。
「陛下。瓔珞(えいらく)は思いやりがあってよく働くのになぜお嫌いなのですか?」
富察皇后(ふちゃこうごう)は言いました。
乾隆帝は瓔珞(えいらく)にわざと水を掛けられたことを思い出し、眠ってしまいました。
次の日。
李玉(りぎょく)は部下の徳勝に薬を煎じさせていました。
「実は玉佩(ぎょくはい)を拾いましたが逸品で皇族の持ち物ではないかと思います。皇族の落とし物のようですが心当りはありませんか?例えば酒に酔った貝勒(ベイレ)などが後宮に迷い込んだことは?」
瓔珞(えいらく)は1月10日に承乾宮で当直をしていたか李玉(りぎょく)に尋ねました。
李玉(りぎょく)は誰も皇帝の聖杯を断ってまでして席を離れることはなかったと答えました。
瓔珞(えいらく)が玉佩(ぎょくはい)の形状を伝えると、李玉(りぎょく)は富察侍衛(しえい)の物だろうと言いました。
皇帝の寝床。
乾隆帝は目覚めると茶が熱いと言いって怒りました。徳勝は土下座して謝りました。乾隆帝は瓔珞(えいらく)がなぜ来ないのかと怒ると徳勝の尻を蹴りました。徳勝は謝りながら部屋を出て行きました。すぐに瓔珞(えいらく)が部屋に入って来ました。
「不器用な者に朕の世話をさせる気か。」
乾隆帝は瓔珞(えいらく)の世話を望みました。
瓔珞(えいらく)は乾隆帝の体に軟膏を塗りました。
「硫黄を塗り過ぎると肌が乾燥するゆえ蘆薈(ろうかい)を摘んでまいりました。蘆薈(ろうかい)の汁だけでは根治できませんが楽になると思います。」
瓔珞(えいらく)は皇帝に言いました。
「いつもそのように気が利くゆえ皇后が気に入っているのか?」
乾隆帝は尋ねました。
「皇后様は真摯なお方ゆえ私も真心で返すのです。」
瓔珞(えいらく)は答えました。
「朕が無慈悲ならそちも非道で返すのか?」
乾隆帝は尋ねました。
「(当然でしょ。)とんでもございません。陛下。申し上げてもよいですか?陛下。皇后様は一晩中扇で風を起こし、お休みになるよう申しても休まれず、朝になると腕は動きませんでした。紫禁城には花のように美しいおなごが大勢います。その中でも感染を恐れず働くのは皇后様だけです。実は皇后様は疥癬を患ったことはないのです。陛下を看病されるために嘘をついたのです。その慈悲深さは唯一です。」
瓔珞(えいらく)は答えました。
乾隆帝は自尊心が傷つき突然瓔珞(えいらく)の腕を引っ張ると怒りました。
部屋。
富察皇后(ふちゃこうごう)の茶碗を持つ手が震えていました。
瓔珞(えいらく)が戻って来ると、その震える手を陛下に見せて看病の苦労を知らせるべきだと皇后に言いました。
「私は施しの二倍の見返りを求めます。それを公平と言うのでは?黙っていては気づかれません。」
瓔珞(えいらく)は言いました。
「瓔珞(えいらく)。広い紫禁城には大勢にの妃嬪がいるけど最初の妃は私よ。人が嫌がることを進んでするのは、陛下からの見返りを求めているからではないわ。求めるのは陛下のご無事とご健康よ。」
富察皇后(ふちゃこうごう)は微笑みました。
皇帝の部屋の外。
瓔珞(えいらく)は廊下で巷(ちまた)の医師の葉天士6に会いました。葉先生は疥癬がひと月で治らないのは不自然だと言うと瓔珞(えいらく)に耳打ちしました。
乾隆帝は体が痒いといって掻きむしりながら瓔珞(えいらく)を呼びました。
富察皇后(ふちゃこうごう)は蘆薈膏(ろうかいこう)を塗るよう瓔珞(えいらく)に求めました。
瓔珞(えいらく)は「張院判が100日の養生が必要」と診断したことについて話すと乾隆帝は「休んでられるか!」と怒って皇后を突き飛ばしてしまいました。
「皇帝にあるまじき行為です!妃嬪たちは優しい言葉を口にしながら瞬く間に逃げました。皇后様はお一人で看病しています。なのに無理を言って皇后様を苦しめるおつもりですか?」
瓔珞(えいらく)は乾隆帝を叱りました。
「皇后。そなたの奴婢だぞ!」
乾隆帝は怒りました。皇后は瓔珞(えいらく)を下がらせようとしました。
「私は正気です。陛下は儲秀宮(ちょしゅうきゅう)にばかり褒賞をお与えになる。なぜ長春宮には何も届かないのですか?」
瓔珞(えいらく)は言いました。
「黙って!」
皇后は言いました。
「言え!続きを言え!」
皇帝は怒鳴りました。
「陛下が高貴妃(こうきひ)の禁足を解いたのは直隷総督(ちょくれいそうとく)高斌(こうひん)様の顔を立てるためだったそうですね。」
瓔珞(えいらく)は言いました。
「随分詳しいのだな。朝廷の事情も知っているのか。」
乾隆帝は怒りました。
皇后は瓔珞(えいらく)のことが心配になりました。
「陛下がお尋ねになったゆえお答えしたのです。皇后様。李総管。陛下は一人の臣下のために貴妃だけを寵愛なさる。君主がおなご一人の歓心を買うとは男に媚を売る妓楼の女と同じです。紫禁城を妓楼にたとえれば陛下は人気の妓女です。高貴妃(こうきひ)の次はだれをお慰めするのですか?愉嬪(ゆひん)?嫻妃(かんひ)?繍坊の女官?陛下はずいぶんとお盛んですね。皇后様の真心が見えませんか?お怒りなのは図星だからですね。八つ当たりはおやめください。国や民のためでなくご自分が可愛いのでは?アハハハハ。国の主が傾城(けいせい)の美男子とは滑稽ですわ。ハハハハハ。アハハハハ。」
瓔珞(えいらく)は言いました。
李玉(りぎょく)は恐ろしくなって土下座しました。
乾隆帝はますます怒って刀を振り回しました。
皇后は乾隆帝に抱き着いて暴力を止めました。
怒りが頂点に立った乾隆帝は口から血の塊を吐きました。
「陛下。これで病はほぼ治りました。」
葉先生が出て来て回復を喜びました。
「治療のために無礼を申しました。皇帝陛下。皇后様。どうかお許しください。」
瓔珞(えいらく)は土下座しました。
「陛下。病が長引くのは憂慮による血痰のせいかと陛下の診療記録から診断いたしました。そこで瓔珞(えいらく)に血痰を取り除くため陛下を怒らせよと言いました。こうするしか他になかったのです。」
葉先生は言いました。
富察皇后(ふちゃこうごう)の表情が明るくなりました。
瓔珞(えいらく)は皇后に世話を頼みました。
「陛下は私が目障りでしょうからこれで失礼します。陛下。ご養生なさいませ。めまいがします。」
瓔珞(えいらく)は逃げようとして呼びとめられると、倒れてしまいました。
皇后は葉先生に瓔珞(えいらく)の治療を命じました。
瓔珞(えいらく)は太監たちに運び出されました。
しばらくして、乾隆帝の体調がよくなりました。
乾隆帝は先ほどの無礼な奴婢を呼ぶように命じました。
富察皇后(ふちゃこうごう)は瓔珞(えいらく)のおかげで症状が改善したと言いました。
「治療にかこつけて朕の憂さ晴らしをしたのだ。」
乾隆帝はまだ怒っていました。
富察皇后(ふちゃこうごう)は瓔珞(えいらく)に疥癬が移ったと言いました。
葉先生も頷きました。
乾隆帝は瓔珞(えいらく)を罰することができなくなり、赦すことにしました。
瓔珞(えいらく)は長春宮に帰る準備をしていました。
徳勝は養心殿で休む許可が出ていると微笑しました。
瓔珞(えいらく)は体を掻きながら「まさか」と言いました。
徳勝は葉先生が瓔珞(えいらく)のために処方した黄連の薬を瓔珞(えいらく)に飲ませました。
感想
瓔珞(えいらく)19話の感想です。高貴妃(こうきひ)が舞で乾隆帝を誘惑してベッドインに成功してしまいました!
乾隆帝が疥癬にかかり、ひと騒動でしたね。このドラマでの乾隆帝はちょっとバカな皇帝として描かれているようです。
富察皇后(ふちゃこうごう)の献身ぶりは、皇后の務めを果たさなければいけないという義務感だけでなく、乾隆帝の気を引きたいという欲もあったのだと思います。皇后もそろそろ次の皇子様のことを考えているのでしょうか?
意外にも今回明らかになったのは高貴妃(こうきひ)が皇宮一の美女だということです。現代の価値観では富察皇后(ふちゃこうごう)が一番お美しいと思いますよね。目の吊り上がった漫画に出て来る悪役みたいな高貴妃(こうきひ)が美女!?
瓔珞(えいらく)もピーナッツを食べてアレルギー症状を出すとは命がけでしたね。
毎回主人公が死と隣り合わせのこのドラマ、ずっとこんな感じで続くのでしょうか?
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