コウラン伝4話のあらすじ
目次
あらすじ
岫玉(しゅうぎょく)の計略に雅王女(がおうじょ)が便乗して生贄にされた李皓鑭(りこうらん)は殺されそうになったところを炎の中から生還しました。皓鑭(こうらん)は神様のお告げを趙王(ちょうおう)や王族たちの前で披露しました。この満月の日に太卜(たいぼく)という占い師を神のもとへ遣わさないと趙の国に災いが起きるのでした。その場にいた呂不韋(りょふい)も太卜(たいぼく)を神のもとへ送るべきだと進言しました。
占いを信じた趙王(ちょうおう)は太卜(たいぼく)を生贄にするように命じました。太卜(たいぼく)は炎の中に放り込まれました。
趙王(ちょうおう)は皓鑭(こうらん)に褒美を与えようとしました。
皓鑭(こうらん)は一旦断りました。
趙王(ちょうおう)は皓鑭(こうらん)のことがとても気に入ったので王宮に入れたいと思いました。
厲(れい)王妃は気品があり度胸のある李皓鑭(りこうらん)を自分の女官にしたいと言いました。
趙王(ちょうおう)は皓鑭(こうらん)に黄金百両と絹織物二十反を与え、王妃付きの上級女官に任命しました。
岫玉(しゅうぎょく)は悔しがりました。
皓鑭(こうらん)はそんな岫玉(しゅうぎょく)を見ると微笑しました。
皆が去ると、嬴異人(えいいじん)は生き延びた皓鑭(こうらん)に安堵した様子を見せました。嬴異人(えいいじん)は母から貰った「一時的に仮死状態になる薬」を事前に皓鑭(こうらん)に渡していたのでした。
呂不韋(りょふい)は職人に賄賂を渡して皓鑭(こうらん)が死なないようにしていました。
皓鑭(こうらん)は呂不韋(りょふい)から貰った外套のおかげで傷一つ無く生還できたと言いました。
嬴異人(えいいじん)は「火浣布(かかんぷ)」という炎を防ぐ布のことを知っていました。
呂不韋(りょふい)は火鼠(ひねずみ)という火に飛び込むと真っ白になる鼠の毛を友人から譲り受け、白い鹿はもとは異人を秦の国に返すために使うためだったところを皓鑭(こうらん)のために使うことになったと説明しました。
呂不韋(りょふい)は嬴異人(えいいじん)にもう自分を遠ざけないようにして頂きたいと言いました。
皓鑭(こうらん)は腕をやけどしていました。
呂不韋(りょふい)と嬴異人(えいいじん)は皓鑭(こうらん)を連れて宮廷医院に行きました。
呂不韋(りょふい)は下働きの男に金(きん)二十金を渡して最優先で診て貰おうとしました。
女宮廷医師の殷小春(いんしょうしゅん)は呂不韋(りょふい)からの賄賂を投げ返しました。
呂不韋(りょふい)は部屋に上がると殷小春(いんしょうしゅん)に声を掛けました。
殷小春(いんしょうしゅん)は重症の患者に軟膏を塗っていました。
皓鑭(こうらん)は苦痛に苦しむ患者を慰めました。
皓鑭(こうらん)が帰ろうとすると、殷小春(いんしょうしゅん)は薬を嬴異人(えいいじん)に投げました。
嬴異人(えいいじん)は薬を受け取ると、皓鑭(こうらん)は殷小春(いんしょうしゅん)に感謝しました。
部屋を出た皓鑭(こうらん)と嬴異人(えいいじん)と呂不韋(りょふい)はお金では動かない者もいるものだと関心しました。
嬴異人(えいいじん)は皓鑭(こうらん)に一日二回、忘れずに薬を塗るように言いました。
嬴異人(えいいじん)は呂不韋(りょふい)と一緒に宮殿を後にしました。
皓鑭(こうらん)は宮廷で暮らすことになりました。
翌日の王宮。
呂不韋(りょふい)は貴族の呂少府(りょしょうふ)として国王の前に出仕しました。
李皓鑭(りこうらん)は厲(れい)王妃の前に出仕しました。
厲(れい)王妃は芝居で太卜(たいぼく)をあの世に送ったことを皮肉たっぷりに褒めました。
皓鑭(こうらん)は太卜(たいぼく)に追い詰められて生きるために仕方なく危険な掛けに出たと釈明しました。
「昨日私が引き取りたいと言わなければ今ごろは王様の寵愛を受けていたはずね。私を恨んでいるかしら?」
厲(れい)王妃は言いました。
「寵愛は一瞬で散る花のようなものでございます。どれほど美しく咲いても必ず散る時が来ます。この召使を王妃様のもとに置いてください。」
皓鑭(こうらん)は言いました。
廊下。
皓鑭(こうらん)は岫玉(しゅうぎょく)に会いました。
岫玉(しゅうぎょく)は王妃に「皓鑭(こうらん)が駆け落ちした醜聞」を告発に行くところだと嫌味を言いました。
皓鑭(こうらん)は岫玉(しゅうぎょく)が蛟王子(こうおうじ)に愛されていないから結婚後も嫌がらせを続けていることを指摘しました。
怒った岫玉(しゅうぎょく)は皓鑭(こうらん)が手に持っていた王妃の簪を床に落としてしまいました。
すると、先輩女官の蕭紅葉(しょうこうよう)が何の騒ぎかと思い駆け付けました。
皓鑭(こうらん)は「岫玉(しゅうぎょく)が手を滑らせて王妃様の簪を落としてしまったので私も悪いので私がお詫びに伺います」と釈明しました。
王妃の部屋。
岫玉(しゅうぎょく)は厲(れい)王妃に拝謁すると、蛟王子(こうおうじ)のことを褒めたたえました。
厲(れい)王妃は皓鑭(こうらん)の口のうまさを褒めると、李赫(りかく)が娘を商人に売って舞姫にしたことについて家名に傷が付かないのか尋ねました。
岫玉(しゅうぎょく)は駆け落ちに失敗して父に屋敷から追放されてしまったので大事な姉を家に帰して欲しいと、心にもないことを言って土下座しました。
厲(れい)王妃は岫玉(しゅうぎょく)の話を聞くと追い返しました。
王妃に侍(はべ)っていた蕭紅葉(しょうこうよう)は岫玉(しゅうぎょく)が姉妹の確執を王妃のもとに持ち込んだ浅はかさが気に入りませんでした。
厲(れい)王妃は岫玉(しゅうぎょく)よりも皓鑭(こうらん)のほうが利口だと分析しました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は皓鑭(こうらん)を見抜いていた王妃を褒めました。
厲(れい)王妃は宮中は退屈なので皓鑭(こうらん)を王宮に置いて楽しみたいと言いました。
蛟王子(こうおうじ)の家。
蛟王子(こうおうじ)は岫玉(しゅうぎょく)が母の面前で恥を晒したことを責めました。
「そなたは王妃になりたいのか?母上に知られたらどうなるか覚悟するんだな。」
蛟王子(こうおうじ)は岫玉(しゅうぎょく)を冷たくあしらいました。
王妃の部屋。
皓鑭(こうらん)は厲(れい)王妃に茶を献上しました。
厲(れい)王妃は茶の味が変わったことを指摘しました。
皓鑭(こうらん)は煩わしい事ばかりで眠れない王妃様のために薬草の種類を変えてみたと説明しました。
厲(れい)王妃は部屋の香りがさわやかなものに変わったことも皓鑭(こうらん)の仕業か尋ねました。
皓鑭(こうらん)は、お香嫌いの厲(れい)王妃のために花を浸した橄欖(かんらん)の油を焚いて臭いを取ったと説明しました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は蘭児(らんじ)という低い身分の女官に、半月後に誕生日を控えた王妃のためにお気に入りの簪(かんざし)をしっかり保管するように命じました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は皓鑭(こうらん)のいる部屋に行きました。
皓鑭(こうらん)は小柔(しょうじゅう)という下級女官に茶を出すように言いました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は皓鑭(こうらん)に声を掛けると王妃の大切な宝飾品を管理して欲しいと頼みました。蕭紅葉(しょうこうよう)は蘭児(らんじ)に宝飾品を並べるように命じました。
小柔(しょうじゅう)は蕭紅葉(しょうこうよう)の前で茶を落としてしまいました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は小柔(しょうじゅう)を四十回叩く罰を命じました。
皓鑭(こうらん)は小柔(しょうじゅう)かばいました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は小柔(しょうじゅう)を見逃し、後の支度を皓鑭(こうらん)に任せ、蘭児(らんじ)と共に部屋から出て行きました。
小柔(しょうじゅう)は皓鑭(こうらん)に「蘭児(らんじ)がわざとぶつかってきたのです」と説明しました。
皓鑭(こうらん)は王妃様の宝飾品を一つずつ確かめました。
小柔(しょうじゅう)は王妃様が一番気に入っている簪(かんざし)の真珠が無くなっていることに気が付きました。
皓鑭(こうらん)は蕭紅葉(しょうこうよう)が自分に罪をかぶせようとしていることに気が付きました。
皓鑭(こうらん)は呂不韋(りょふい)に会うと、王妃の簪(かんざし)に真珠を付けて欲しいと頼みました。
呂不韋(りょふい)は必ず宴(うたげ)の前に真珠を付けた簪(かんざし)を持ってくることを約束しました。
呂不韋(りょふい)は「楚(そ)の王室に伝わる生肌膏(せいきこう)だ。殷先生の薬の百倍よく効く」と言って皓鑭(こうらん)に軟膏を見せました。
まだ皓鑭(こうらん)の火傷は治っていませんでした。
呂不韋(りょふい)は皓鑭(こうらん)の腕に軟膏を塗りました。
「薬を塗ってやるのは二度目だ。三度目はカネを取るぞ。蕭紅葉(しょうこうよう)はお前を陥れようとした。ならばこれを機会に蕭紅葉(しょうこうよう)を殺す。」
呂不韋(りょふい)は言いました。
「恐ろしいけど、間違ってはいないわ。今度何か仕掛けてきたら、ただじゃおかないわ。」
皓鑭(こうらん)は部屋から出て行きました。
王宮の一室。
嬴異人(えいいじん)は宮中に移りました。異人は書を読んでいました。そこに雅王女(がおうじょ)が現れ「お祝いに来た」と言いました。雅王女は母の王妃が皓鑭(こうらん)を気に入っているけど賢過ぎるので嫉妬していると言いました。
「皓鑭(こうらん)さんの人生は皓鑭(こうらん)さんのものです。誰の助けもいりません。
嬴異人(えいいじん)は雅王女(がおうじょ)の助けを断りました。
庭。
雅王女(がおうじょ)は侍女に蕭紅葉(しょうこうよう)が母と組めば皓鑭(こうらん)はひとたまりもないと呟きました。
王女の目の前で従者が犬小屋を作っていました。
雅王女(がおうじょ)は犬小屋の作り方が知りたいと言いました。
皓鑭(こうらん)は嬴異人(えいいじん)からの手紙を受け取りました。手紙には楚の国で奏でられた古い琴の譜面が添えられていました。
王宮の一室(岫玉の部屋)。
岫玉(しゅうぎょく)は悲鳴を上げて目覚めました。
心配した高敏(こうびん)が部屋にやって来ました。
岫玉(しゅうぎょく)は皓鑭(こうらん)に何もかも奪われると言って母の袖を引っ張り泣きつきました。
王宮の一室(皓鑭の部屋)。
殷小春(いんしょうしゅん)は皓鑭(こうらん)の腕を診察すると働きすぎのため膿んでいるから休みなさいと忠告しました。
呂不韋(りょふい)に宮中に送り込まれた司徒月(しとげつ)は皓鑭(こうらん)に薬を持って来ました。
司徒月(しとげつ)は岫玉(しゅうぎょく)が病を理由に母を宮中に呼び、高敏(こうびん)は王妃に宝物を贈って歓心を買おうとしていると言いました。
皓鑭(こうらん)は休んでいる暇もないと思いました。
秦の都、咸陽(かんよう)。
嬴異人(えいいじん)の母、夏姫(かき)のもとに司徒月(しとげつ)が行っていました。司徒月(しとげつ)は太子(たいし、王位継承者)に目通りが叶わないと言いました。
夏姫(かき)は太子(たいし)から一度も寵愛を受けたことが無いので異人も蔑まされていることに悩んでいると打ち明けました。太子(たいし)は正室の華陽夫人(かようふじん)のもとへ毎晩通っているので異人のことは眼中にありませんでした。
夏姫(かき)は司徒月(しとげつ)に趙の国の様子を尋ねると、自らの指を噛んで血で手紙をしたためました。
秦の国の対し、安国君(あんこくぐん)の前に夏姫(かき)は土下座して目通りを願いました。安国君(あんこくぐん)は夏姫(かき)を見るなり「そなたは誰だ」と尋ねました。安国君は自分の側室の顔も覚えていませんでした。側仕えの男は安国君に夏姫は異人の母で韓の国の王女だと説明しました。
安国君(あんこくぐん)は夏姫を立たせて事情を尋ねました。
夏姫は異人から手紙が届き、秦と趙の戦が迫るなかで考えを伝えて来たと手紙(※夏姫の自作自演の手紙)を見せました。
安国君(あんこくぐん)は手紙の中に趙の国の様子や作戦などが血文字で書かれていることに感心しました。
夏姫は趙の国は戦勝祈願の生贄として神に捧げるので、死を覚悟している異人の遺骨だけでも故郷に連れ戻して城の近郊に埋葬して欲しいとお願いしました。
夏姫は嬴異人(えいいじん)が死しても秦の国の安泰を望んでいると涙ながらに訴えました。
安国君(あんこくぐん)は嬴異人(えいいじん)の血書を父王に見せることに決めると、王 齕(おうこつ)という秦の将軍に息子の異人を助け出すよう命じました。
夜の趙の王宮。
呂不韋(りょふい)は密かに李皓鑭(りこうらん)に会いました。呂不韋(りょふい)は秦の軍が趙の国に迫り一触即発の状況なので、必ず皓鑭(こうらん)を連れて行くと約束しました。
皓鑭(こうらん)はなぜ自分を助けてくれるのか尋ねました。
「お前は既に呂家の一員だ。」
呂不韋(りょふい)は言葉を濁しました。
呂不韋(りょふい)は嬴異人(えいいじん)の命運はこの戦にかかっていると言いました。
王妃の寝殿の前。
女官は皓鑭(こうらん)に、王様が王妃様と一緒に月見をしたがっていると言いました。
皓鑭(こうらん)が王妃の部屋に行くと厲(れい)王妃は寝台の上で激しく転がっていました。皓鑭(こうらん)は思わず息を飲みました。
それに気づいた厲(れい)王妃は寝台から出て来て皓鑭(こうらん)に何事か尋ねました。
皓鑭(こうらん)は王様が王妃様と月見がしたいと希望していることを伝えました。
「役に立たないわね。早く下がりなさい。また勝手に入ったら命はないわよ。」
厲(れい)王妃は言いました。
皓鑭(こうらん)は女官に「王妃様がお酒を飲み過ぎたので明日お詫びに伺う」と言いました。
そこに雲少妃(うんしょうひ)がやって来ました。雲少妃(うんしょうひ)は王妃の具合が悪いならお見舞いしたいと言いました。
皓鑭(こうらん)は「王妃様のご意思で入れません」と断りました。
雲少妃(うんしょうひ)が無理やり王妃の部屋に入ろうとすると、身なりを整えた厲(れい)王妃が現れました。
雲少妃(うんしょうひ)は跪いて王妃を見舞うと帰りました。
厲(れい)王妃は皓鑭(こうらん)を部屋に呼びました。
王妃の部屋。
「皓鑭(こうらん)。何が悪かったと思う?」
厲(れい)王妃は皓鑭(こうらん)に尋ねました。
皓鑭(こうらん)は雲少妃(うんしょうひ)様と小競り合いを起こしたことを誤りました。
蕭紅葉(しょうこうよう)は皓鑭(こうらん)の失態は万死に値すると言いました。
「あの世に、送ってあげる。」
王妃は言いました。
すると女官たちが現れ李皓鑭(りこうらん)の首に布を巻きつけました。
「王妃様!王妃様!」
皓鑭(こうらん)は抵抗しましたが女官たちに抑えつけられて首を絞められました。
「何をしている。」
そこに趙丹(ちょうたん)が現れました。
趙丹(ちょうたん)は皓鑭(こうらん)の首から布を外してあげました。
厲(れい)王妃は罪を犯したので死を与えているところだと言いました。
皓鑭(こうらん)は「王妃様は王様から賜った腕輪をお気に召してとても大切にしておられました。しかし私の不注意で壊してしまったのです。怒った王妃様が私に死をお命じになられました。」と釈明しました。
「なんだ。それだけのことで殺すことは無い。立て。王妃と月見をしに来たが今宵は無理そうだな。」
趙丹(ちょうたん)は帰りました。
「王妃様。皓鑭(こうらん)を追い出さねば災いのもとになります。」
蕭紅葉(しょうこうよう)はそう言うと部屋から出て行きました。
「感謝します。」
李皓鑭(りこうらん)は王妃に土下座しました。
「賢いわね。一言でも言っていたら死んでいたわよ。そなたを気に入ったわ。下がりなさい。」
厲(れい)王妃は皓鑭(こうらん)を赦しました。
皓鑭(こうらん)の部屋。
皓鑭(こうらん)は部屋に帰ると胸を撫でおろしました。
呂不韋(りょふい)が部屋で待っていました。
「呂不韋(りょふい)。呂不韋(りょふい)。さっきあの世の入り口に立ったわ。」
皓鑭(こうらん)は呂不韋(りょふい)に抱き着きました。
呂不韋(りょふい)は司徒月(しとげつ)から報告を受けたので趙王(ちょうおう)に知らせて皓鑭(こうらん)を助けたと説明しました。
「蕭紅葉(しょうこうよう)は私にわざと王妃の秘密を見せた。」
皓鑭(こうらん)は言いました。
「何を見た。」
呂不韋(りょふい)は尋ねました。
「王妃の寝所に男がいた。蕭紅葉(しょうこうよう)は自分だけが知っている秘密を利用して王妃を唆して私を殺そうとした。甘く見過ぎていたわ。」
皓鑭(こうらん)は言いました。
「忘れるな。お前には私という切り札がある。何が起ころうと恐れることはない。お前には私が付いている。しっかり支えてやろう。お前が求めるなら私は応えよう。」
呂不韋(りょふい)は言いました。
「思わせぶりな言い方ね。誤解しそうよ。」
皓鑭(こうらん)は言いました。
「バカを言え。私が愛しているのはカネと権力だけだ。皓鑭(こうらん)。今日はゆっくり休め。明日また会おう。」
呂不韋(りょふい)は帰りました。
蛟王子(こうおうじ)の部屋。
皓鑭(こうらん)は蛟王子(こうおうじ)に温かい茶を淹れました。
「もう蕭紅葉(しょうこうよう)を負かしたのか?おなごの争いに加わるくらいなら私の女になれ。」
蛟王子(こうおうじ)は背後から皓鑭(こうらん)を抱き締めました。
皓鑭(こうらん)は丁寧に断りました。
嬴異人(えいいじん)が部屋に入って来て蛟王子(こうおうじ)を牽制しました。
部屋に王妃と雅王女が入って来ました。
嬴異人(えいいじん)は雅王女(がおうじょ)の要望で琴を演奏することになっていました。
嬴異人(えいいじん)の琴の音色は王様の耳にも届きました。嬴異人(えいいじん)は母が父を想い作った曲だと説明しました。
蛟王子(こうおうじ)は音色から戦を連想するような気迫を感じたと嫌味を言いました。
嬴異人(えいいじん)は同じ曲でも感じ方は人それぞれなので王子様は志が高いので殺伐とした音色が気になったが、自分が思い浮かべているのは穏やかな空だと言いました。
そこに王様が部屋に入って来ました。
趙王(ちょうおう)は音色が不吉なので「我が国を呪うつもりか?」と怒りました。
嬴異人(えいいじん)は謝りました。
雅王女(がおうじょ)は嬴異人(えいいじん)を擁護しました。
趙王(ちょうおう)は左右二色の衣を着て龍に乗って飛んでいたら突然まっさかさまに落ちて目の前に金銀財宝が転がっている夢を見たと言いました。
蛟王子(こうおうじ)は秦の国が我が国の財宝を奪う不吉な夢だと言いました。
「異人殿を殺して気を晴らしたところで何になるというの?」
雅王女(がおうじょ)は言いました。
趙王(ちょうおう)は決断を下そうとしました。
「解釈をさせてください。秦の文公は夢で黄色の蛇が天から降りて来るのを見て西方を祀る神を白帝(はくてい)と呼びました。昔から龍は聖なるものを象徴します。龍は蛇の百倍まさります。蛇で白帝になれるなら龍は百年に一度の吉兆です。」
皓鑭(こうらん)はうまく言いました。
嬴異人(えいいじん)も王様が財を独占しないから天下が泰平になると言いました。
雅王女も擁護しました。
王妃も口添えしました。
そこに知らせが入り、秦の軍が後方に下がるとすべての城と引き換えに王孫を返すように要求してきました。
趙丹(ちょうたん)は異人を人質にしておく価値が高まったと思って上機嫌になりました。
廊下。
雅王女は皓鑭(こうらん)に礼を言いましたが「どんなにがんばってもあなたはおもちゃに過ぎないわ」と忠告しました。
夜。
雅王女(がおうじょ)は縄を結びました。
呂不韋(りょふい)は皓鑭(こうらん)に会うと、嬴異人(えいいじん)の価値がますます高まったと言いました。
皓鑭(こうらん)は嬴異人(えいいじん)と呂不韋(りょふい)の三人で逃げることはますます難しくなったと思いました。
皓鑭(こうらん)は嬴異人(えいいじん)から「お礼の巾着を貰った」と言いました。
「叔母が手足が冷えると言っていた。これは預かっておこう。」
呂不韋(りょふい)は皓鑭(こうらん)から異人の匂い袋を奪いました。
皓鑭(こうらん)は袋を取り戻そうとしましたが、それも皓鑭(こうらん)もろともカネで買ったので自分の物だと言いました。
感想
「コウラン伝 始皇帝の母」第4話の視聴感想です。正直いってつまらないと思いました!ここで視聴を辞めようか少し悩みました。作者側の根拠としては孔子の死後しばらくしての間に起きた出来事なので、孔子は南方の出身ゆえ北方の趙や秦にはその手の思想は伝わっていないだろうという見解なのでしょう。特に思想というものはなく「神のお告げ(という嘘)」によって国家運営がなされているという解釈なんだと思います。
面白いなと思ったのは「木簡」が出て来たことです。経木ともいいましょうか。日本語では木簡(もっかん)ですね。つまり「紙が無かった時代」です。
そんな時代の人々の思考が幼稚園レベルであったことは容易に想像できると思います。
食糧の生産も困難だったでしょう。
そんな人たちが何を考えていたかというと、やはり他人の物を奪うことなのではないかと思います。他人が持っている食糧、衣服、家、土地、身分、他人が住んでいる地域ごと奪って中の人は皆殺しとか、そういうことは日常茶飯事であったかもしれませんね。
だからお話がつまらなくて当然と言ってしまえばそれでおしまいですが、風紀も道徳もなかったでしょうから、今回出て来た王妃様が別の男と夜の楽しみを共にしていたとしても、そこで生まれた王子が国王の息子じゃなくても何の不思議もありません。
さてはて、続きをどう見て行きましょうか!?
製紙技術が無いのに、あんなに豪華な立体裁断の服を作る頭脳があるか疑問です。
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各話のあらすじと感想です。
登場人物の心情も詳しく解説しています。